「LGBTブームを超えて」東京レインボープライド2016開幕 過去最大の6万人規模へ

    5月7日に代々木公園でフェス。8日にパレードが開かれる。

    LGBTなどセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の日本最大のイベント「東京レインボープライド」の開幕が4月30日夜、東京都庁で宣言された。今年は5月7日に代々木公園で開くフェス、翌8日のパレードと合わせて、過去最大6万人の参加が見込まれている。

    差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、前向きに生きていくことができる社会の実現を目指すイベントで、今年は「LGBTブームを超えて」がテーマ。

    主催者代表の山縣真矢さんは開会挨拶で、次のように語った。

    「LGBTブーム到来と言われていますが、セクシュアル・マイノリティはブームであろうが、なかろうが暮らしている。多様な性的指向・性自認を生きている。ブームのさらにその先を見据えたい、という思いを込めたテーマです」

    性的少数者のパレードは1994年以降、日本各地で開催されるようになり、2014年に「東京レインボープライド」という枠組みになってからは、3回目。4月29日〜5月8日は「レインボーウィーク」として、約60のLGBT関連イベントが首都圏を中心に各地で開催されている。

    「パートナーシップ証明書」

    同性カップルに「パートナーシップ証明書」を出す動きの、全国の先駆けとなった、東京の渋谷区長と世田谷区長が、揃ってトークイベントに参加した。

    どちらの区も、2015年11月から証明書の発行が始まり、これまでに渋谷区では8組、世田谷区では28組のカップルが証明書を手にした。

    長谷部健・渋谷区長は「予想より多いペース。パートナーシップを証明することは、カムアウトとイコールだから」と話し、自分が性的少数者だと告白(カムアウト)することの難しさが、パートナーシップ証明書へのハードルになっていると指摘した。

    その上で、今後はもっとアライ(性的マイノリティを支援する人たち)を増やしていきたい、と主張。「どちらが先か、鶏と卵じゃないけど、アライが増えたらカムアウトする人も増えるだろう」と話していた。

    保坂展人・世田谷区長は「自治体から変わっていくのが大事。自治体レベルの権利保障が進めば進むほど、じゃあ東京都は? 国は?ということが問われるようになる」「なるべく多くの自治体が足を踏み出してほしい」と訴えた。

    尾木ママも登壇

    「尾木ママ」として知られる教育評論家の尾木直樹さんは、ここ2〜3年でLGBTへの理解度が急速に広まってきたと指摘し、教育現場での最近の動きを紹介していた。

    「教育界はまだ遅れている。今年の4月からLGBTの教員研修が本格的に始まった。電通総研の2015年の調査では、日本人の13人に1人がLGBTというものも出た。いろんなことが加速してきたという感じがします」

    トランスジェンダーユニットのパフォーマンスも

    会場にはスタッフや一般参加者が多数集ったが、プライバシーへの配慮として、ステージ上以外の撮影は禁止されていた。