就任から一貫して、希望と変革を訴えてきたオバマ大統領。
任期最後の記者会見が1月18日(現地時間)、ホワイトハウスで開かれた。記者からの最後の質問は、「2016年の選挙結果」についてだった。
「今回の選挙結果の意味について、ミシェル夫人や大統領ご自身はどのように理解し、お子さんに説明されていますか」
オバマ大統領はまず、娘たちについて語り出した。
「彼女たちは悲観的になっていません。選挙結果で、自分の考えを全否定されたとは感じていないはずです」
「娘たちには、何事にも屈服しない力、そして希望を教えてきました」
「この国は大きく複雑で、民主主義も厄介な状況になっている。それでも、この国は、悪いところよりも、良いところが多い。この国には良識があります」
民主主義では、時に自分が望んでいなかった結果が出る。オバマ大統領は、選挙で負けても、より良い社会を作るために前進し続けることが重要だ、と訴えた。
「私はこの国を信じている」
オバマ大統領は1月10日、大統領として最後の演説でも、民主主義の重要性を訴えた。「不断の努力なしに民主主義は成り立たない」と話し、政治を冷笑せず、変化を起こすには自ら行動を起こすように説いた。
トランプ次期政権が誕生したら、排他的な思想がはびこってしまうのではないか。世界の分断が加速するのではないか。不安を抱える人もいる。
「Yes! We Can」の掛け声で、絶大な人気を得て誕生したオバマ大統領。任期最後の記者会見の最後の質問への答えを、こう締めくくった。
「私は、この国を信じています。アメリカ国民を信じています。人は悪の側面よりも、善の側面が多いと信じています」
「悲劇は起こる。世界には悪も存在します。しかし、私たちが熱心に励み、私たちが正しいと信じていることに誠実であり続ければ、最終的に世界は少しずつ、改善していくでしょう。それが、この政権が体現しようとしたことなのです」