フィリピン大統領、中ロと連携強化を表明 ペソ相場が7年ぶりの低水準に急落

    日本の外交方針にも影響

    フィリピンのドゥテルテ大統領は26日夜、今後、ロシアと中国との経済関係を深める考えを示した。ロイター通信などが報じた。26日の対米ドルペソ相場は、2009年以来約7年ぶりの低水準1ドル=48ペソ台にまで下落した。

    米国の格付け会社「スタンダード&プアーズ」は先週、ドゥテルテ大統領の違法麻薬取締対策は人権侵害の恐れがあり、経済に悪影響を及ぼす恐れがあると指摘していた。

    ドゥテルテ大統領は先に、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合の場で、ロシアと中国から軍事支援を持ちかけられていると明らかにした。

    ロイター通信の報道によると、米国など国際社会との緊張が高まり、投資家が遠のいた可能性がある。

    一方、フィリピン中央銀行のテタンコ総裁は「米連邦準備制度理事会(ASEAN)の政策決定先延ばしがペソ安に影響している」との見方を示した。

    ドゥテルテ大統領は10月に来日する方向で日本政府と調整している。日本訪問前に中国、その後、ロシアを訪問する予定。

    今後、ドゥテルテ政権がロシア、中国よりに外交の舵を切り、米国との関係が冷え込む恐れもある。仮に米比両国の関係が悪化すれば、日本の外交方針に影響を与えるのは必至だ。