ドゥテルテ・フィリピン大統領はクレイジーなのか それとも外交戦略家なのか

    実は日本びいき

    フィリピンのドゥテルテ大統領の暴言が止まらない。過激な発言の直後に弁明や釈明も繰り返している。メディアを騒がす、この男の本心は一体どこにあるのだろう。

    ドゥテルテ大統領は世界の超有力な首脳に対して「サノバビッチ(売春婦の子供)」と言い放った。

    その相手はアメリカのオバマ大統領。オバマ大統領は「個性的な方」と大人の反応を示したが、結局、比米首脳会談が中止になってしまった。

    だが、ASEAN首脳会議から帰国直後、フィリピン南部にいる「米軍は出て行け」とドゥテルテ節をさく裂させた。

    ドゥテルテ節は止まらない。こんな例もある。

    ドゥテルテ大統領は、米国とASEAN各国首脳との会議を欠席した。体調不良を理由に。

    ドゥテルテ節はまだまだ止まらない。

    さらに、ドゥテルテ大統領は、フィリピン国軍の装備調達でロシア、中国と協力する計画があると明らかにした。

    中国の戦闘機が無料なら「受けいれない理由はない」と嬉しそうなドゥテルテ大統領。

    親中的なイメージがあるドゥテルテ大統領だが、中国の海洋進出を警告するメッセージを発したこともある。

    中国の李克強首相と会談をする直前、フィリピンの海を不当に占拠・航行する中国船の写真を公開したのだ。

    ドゥテルテ大統領の発言は二転三転していて、一貫性がないようにもみえる。

    ところで、あまり知られていないが、実はドゥテルテ大統領は日本びいきだ。

    大統領選に勝利した後、ドゥテルテ大統領が世界各国の大使の中から最初の面会相手に選んだのは、日本の駐フィリピン大使だった。

    ドゥテルテ大統領は以前、「私の発言にはジョークが混じっている。記事を書くときはどれがジョークか理解して書いて欲しい」と話したことがあった。

    しかし、ドゥテルテ大統領の本音とジョークの違いを理解できている記者はいるのだろうか。