ゾクッとする…。修学旅行で撮った“心霊写真”から連鎖するまさかの怖い話

フィッシャーズのシルクロードさんがホラー映画を製作。原案となった恐怖体験と見どころを聞いた。

チャンネル登録者数750万人を超える、人気YouTuberグループのフィッシャーズ。

そのリーダーを務めるシルクロードさんが、ホラー映画「カカリ-憑-」を製作した。いよいよ、8月12日（金）に1週間限定でヒューマントラストシネマ渋谷で劇場公開される。

「カカリ-憑-」は、これまで多くの不思議な体験をしてきたシルクロードさんが、「最も怖かった」という修学旅行での出来事を原案とした作品だ。

BuzzFeedでは、シルクロードさんにこの恐怖体験と今作の見どころを聞いた。

記憶を失った修学旅行での異様な体験

©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト / 劇場公開終了後、フィッシャーズのYouTubeチャンネルで公開

ーー「カカリ-憑-」では、シルクさんの修学旅行での出来事が描かれています。ファンの方々の間では有名なお話ですが、改めて当時起きたことを聞かせて下さい。

高校生の時に、歴史を学ぶために修学旅行で“とある島”に行ったんですね。当時は受験とか「卒業論文を間に合わせないと……」とか、いろんな悩みを抱えていて、考え事をしながら船に乗っていました。

それから島に着いて、「よっしゃ歴史を学ぼう！」「みんなで写真撮ろう！」とか言いながら船を降りたんです。で、本当に不思議なんですけどそこから記憶が飛んでるんです。

いわゆる“取り憑かれた”瞬間ですね。失神するというか。本当に眠たい時って記憶がおぼろげじゃないですか。いつ寝たのかわからないみたいな。そんな感覚です。

Yuya Yoshida / BuzzFeed

ーー「カカリ-憑-」には、島に「女の子の幽霊」のような存在が登場します。まさに船を降りたあたりで、その女の子に憑かれたということですね。

パンッ！って消えてる感覚ですね。かすかに覚えているのは、船から降りた時に右側の方に暗い空間があったんですよ。そこだけ覚えています。

それ以降は記憶が消えてるんです。後日、記憶がない時の話を一緒にいた友だちから聞きました。

劇中シーン / ©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト

友だちが言うには、ぼくの顔色が変わったらしいんです。そのまま、さっき言った暗い空間に1人でドコドコと歩いて行ったと。

その暗い空間は、途中にフェンスがあって先に進めないようになっていたらしいんです。で、ぼくはそのフェンスの網目から手を伸ばして、ガラケーで写真を撮ったみたいです。

そのあとは友だちがいるところに戻って、今度は友だちと集合写真を撮りました。その時の写真を見ると、ぼくは笑ってはいるんですけど、どこかボヤっとしているというか。友だちもなんかおかしいな…と感じていたそうです。

劇中シーン / ©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト

それからは歴史館を巡ったりして特に異常はなかったみたいです。でも、帰り際になると、ぼくが急に「水切りしようよ」って言い出したんです。

水切りって、薄くて小さい石を選ぶじゃないですか。それなのに、ぼくはめちゃめちゃ大きい石を選んだらしくて、友だちが「やる気あんのかよ！」ってツッコみながらその石を触ったそうなんです。

そしたら、電子レンジでチンしたんじゃないかってぐらい熱かったらしくて。ぼくはその石を普通に握っていて、そのまま持って帰ろうとした。

さすがに友だちが気味悪がって、止めてくれました。

劇中シーン / ©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト

ぼくの記憶が戻ったのは、宿泊していたホテルでした。友だちに「今日どこ行ったっけ？」って記憶を確認するような話をして。それから家へ帰って、思い出を振り返ろうと暗い空間で撮った写メを見返したんです。

3枚撮っていて、2枚は真っ暗で何も見えない。最後の1枚だけ、暗い空間の奥の方から女の子がこちらを覗いていたんです。

それを見た時に、記憶がないのってこの子の影響かなって感覚的に思ったんです。取り憑かれるってこういうことかって。

お母さんにも友だちにも見せたんですけど、はっきり女の子が見えると。幽霊とか絶対信じない母が、「こっちになにか訴えかけてきてるね……」って。

動画にも映った異様な存在

▲フィッシャーズが2017年に投稿した動画「【心霊】いま笑った女の子はだれ？」。シルクさんとンダホさんしかいない部屋に、女の子のような笑い声が聞こえるという。それらを検証するために、メンバーらがシルクさんの部屋に泊まると……。

ーーその子が、「カカリ-憑-」にも登場する女の子なんですね。写真に映るぐらいだったら、よくある心霊写真、という考え方もできそうです。でも、その後にもいろいろ起きたんですよね。

一緒に島に行った友だちが次々とケガをしてしまって。聞いてみると、ケガをする前に変なモノを見たようなんです。あとはこの話や写真を知らない人から、ぼくの後ろに「女の子がいるね」って言われたり。こういうことが何度も起きました。

劇中シーン / ©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト

1回だけだったら別に気にしない。でも、本当に何度も何度もあったんですよ。

ぼく自身もちゃんとその子を見ました。写真以外で出てきたんですよ。初めてひとり暮らしをした家では、ものすごく出てきましたね。たとえば部屋で下を向いたら、ベッドの隙間から顔を出してるんですよ。今までいろんな心霊スポットに行ってきたんですけど、その中でも圧倒的に一番怖かった体験です。

頭から離れない異様な恐怖を再現

Yuya Yoshida / BuzzFeed

ーーそんな恐怖体験をもとにした映画が、今回の「カカリ-憑-」です。いつ頃から企画していたんでしょうか。

それこそ、この心霊体験をした高校3年生の頃からいずれ映画にしたいと思っていました。ぼくの高校って珍しく卒業論文があって、霊と言霊について研究したんですよ。いろいろ歴史とか調べて論文を書いているうちに、「この体験は映画にしたいな」と考えていました。

ーーもう10年以上前からの「夢」を実現されたわけですね。

そうですね。うちの高校では、今回の心霊写真がかなり出回っていたので、当時の同級生たちは「あれ、映画になったんだ！」ってなると思います（笑）

ーーあの噂の写真が映画に。

そうなんです。いまスタッフで、高校が同じやつがいて。そいつは「まじか！」ってなると思いますね（笑）

劇中シーン / ©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト

ーー学校中の噂だった当時の生々しい怖さが、「カカリ-憑-」でも重要になってくると思います。「怖さ」について、こだわったポイントはありますか。

ぼくが体験してきたリアルな恐怖を大事にしました。たとえば女の子の顔をベッドで見た時の衝撃は、やっぱりデカかったんです。「うわ、この子だ……」って。

ずっと脳裏にチラつくんですよ。姿が見えないことのほうが多くて、でも、絶対に近くにいるのは感じる。そうすると、「あの子だよな……また出てくるのかな……」って考えちゃうんです。片時も忘れられないというか。

「ドン！パン！」って驚かすような怖さだけじゃなくて、そういう日常のモヤモヤや異様な雰囲気が、映画でもしっかり伝わるんじゃないかと思います。

ーー肝試しとかの怖さじゃなくて、特別な体験をしたシルクさんだから知っている恐怖が味わえる。

たとえば心霊スポットで怖い思いをした人って、心霊スポットという場所自体が怖いんですよ。そこで撮れた写真とか。でも、自分の足元に（霊が）いるって、もう絶対おかしいんですよ。怖さがちがう。

なので、ぼくが見てきたそういうリアルさだったり、日本ならではのジャパニーズホラー感を意識しました。海外のようにわかりやすく驚かすというより、怖いことが起きるかもしれないという導線をちゃんと引いて、女の子がどういう霊なのかもちゃんと描いて、どうしてそんな現象が起きるのかも納得できるようにしたつもりです。

YouTuberのシルクロードらしさ全開

劇中シーン / ©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト

ーー「カカリ-憑-」では、いつものフィッシャーズさんらしい心霊スポットを探索するパートと、俳優さんによるドラマのパートに分かれていますね。

YouTubeの心霊動画って、カメラも編集も素人なわけですよね。だからこそ、作り物ではない怖さだったり親近感があると思うんです。それがYouTubeならではの心霊動画のよさというか。なので、YouTubeっぽいパートも入れました。

ーーいつもの動画と変わらない入りだったので、最初から違和感なく映画に没入できました。

ぼくの今までの心霊動画のような部分も入れたら、よりリアル感があるだろうし、その流れから展開していった方が今までになかったホラー映画にもなるだろうと。YouTuberのシルクロードが作る映画だからこその意味が生まれていると思います。

劇中シーン / ©️2022『カカリ-憑-』製作プロジェクト

ーー映画というとセリフがあって演技するのが一般的ですが、シルクさんはそんな感じがしなかったです。

ぼくが話している探索のパートは、台本がないんです。ゴリゴリの即興というか、YouTubeを撮るいつもの感じで話しています。これは実体験だからこそ、台本がなくてもできました。もう1回やれって言われたら、全然ちがう作品になっていると思います（笑）

ぼくが伝えたいことを全力で話したので、映画全体を通して「リアル感」を出せたんじゃないかと思いますね。

ーー今回の映画化は、原案となったシルクさんの恐怖体験を知るファンの方にとって大きなサプライズになったと思います。メッセージがあれば教えて下さい。

時間をかけて、自分の体験を伝えられる嬉しさがかなりあります。いつも台本を作ってないのがフィッシャーズのよさなんですけど、だからこその制限はあって。

今回の映画では、しっかり考えて、しっかり思い出して。あの時、こう思っていたから、こういうシーンを撮って、とか、時間をかけてじっくり作り込みました。YouTubeの動画よりも長い時間をかけられたからこそ、ぼくの体験のより細かい部分まで伝えられるんじゃないかと。

ぼくはこの話をめちゃくちゃするので、みんなは「その話ね」ってなってると思うんです。でも、いつも話してきたこととはちがうよって。

ーーあの有名な心霊体験を、よりリアルに感じられますよね。

とにかくリアル。心霊系の動画は五感が大事です。特に音は迫力を出す上でめちゃくちゃ大事。そういう意味で、今回映画にしたことで臨場感も感じてもらえると思います。

ぼく自身の大きな挑戦という意味でも、ドラマパートを設けて、いつもの動画ではできないことにチャレンジしました。

心霊動画を1人で観るのが怖いって人、結構いるんですよ。なので、映画館だとちょっとは観やすくなるのかなって。そんな意味でも、映画にした意味がある作品になっています。

映画「カカリ-憑-」はYouTubeでも公開中！

youtube.com

＜あらすじ＞

探索パート

会議中、乱入してきた撮影スタッフに拉致されたシルクロードは、心霊スポットとして有名な、とある廃墟に連れ出される。彼はスタッフとともに廃墟を探索しながら、自身が過去に体験してきた数々の心霊体験エピソードを振り返っていく。しかし、徐々に不可解な現象が　彼らの周りで起き始めていくーー。

ドラマパート

高校生のシルクロードは、修学旅行でとある島へ向かっていた。島に到着次第、友人の月島、小谷、竹下の4人で廃墟探索へ行く予定であったが、そこで突然、シルクロードだけが、島に上陸した間の記憶をなくしてしまうーー。

劇場上映期間

2022年8月12日（金）〜8月18日（木）ヒューマントラストシネマ渋谷（東京都渋谷区渋谷1-23-16ココチビル7・8F）※8月19日（金）から8月25日（木）までの1週間、ヒューマントラストシネマ渋谷（東京）とシネ・リーブル梅田（大阪）で追加上映決定。19日（金）フィッシャーズのメインチャンネルにて本編映像の配信が決定。