外が暖かくなってきて、窓を開ける機会も多くなってきたのではないでしょうか。
子どもが窓やベランダから転落する事故は、今の季節から夏にかけて最も増えるため、注意が必要です。
日常に潜む危険
窓を開けた部屋や、ベランダでは、子どもだけで遊ばないよう注意する必要があります。
見守りと合わせて、事故が起きにくい環境をあらかじめ作っておくことが重要です。
消費者庁は、子どもが窓やベランダから転落する危険性があるとして、3つの点を気をつけるよう呼びかけています。
1.子どもの手の届かない位置に補助鍵を付けること
勝手に窓を開けたり、ベランダに出て転落するおそれがあります。
2.窓やベランダの手すり付近に、足がかりになるような物を置かないようにすること
子どもがよじ登ってしまう危険性があります。
3.窓、網戸、ベランダの手すり等に不具合がないか定期的に確認をすること
窓、網戸、ベランダの手すり等に不具合があると何かの拍子で壊れて子どもがケガをしてしまう可能性があります。
暑い時期に多い転落事故
厚生労働省「人口動態調査」(2014〜2018年)によると、9歳以下の子どもの建物からの転落による死亡事故は「7〜8月」が最も多く、次に「5〜6月」が続きました。
救急搬送件数で見ると、「9〜10月」が最も多く、次に「5〜6月」となりました。
転落事故は、初夏から秋にかけて多く発生していることがわかります。年齢別に見ると、3〜4歳が最も多いようです。
子どもの遊ぶ音がしなくて探したら…
実際に、医療機関からは窓やべランダから子どもが転落する事故の情報が寄せられています。
「ギャーという子どもの泣き声がして探すと、網戸にしていたリビングの腰高の窓が全開になっており、約5メートル下のルーフバルコニーに落下していた。大腿骨骨折のため入院となった。窓のそばには高さ50センチほどの机とソファを置いていた」(1歳10か月)
「3階の自宅にて、遊んでいた子どもの音がしないことに気付き探したところ、出窓の網戸が破れており、建物の外に落下している子どもを発見した。全身打撲、脳損傷による意識障害、肺挫傷のため入院となった。換気のために窓を開けており、窓際にベッドを置いていた」(4歳)
「家族を見送るために、ベランダの手すりを鉄棒の前回りのようにつかんでいたところ、前のめりにコンクリートの地面に落下した。全身の打撲のため入院となった」(5歳)
「子どもを事故から守る!事故防止ポータル」(消費者庁)には、子どもの落下事故防止に関するもの以外にも、誤飲や自転車の安全利用などさまざまな情報が掲載されています。