「こんな単純でわかりやすい操縦レバーあるもんかね」重機で見つけた操縦レバーに海外で通用するか心配の声 ⇒ 実は国際規格。世界中の人に伝わる理由とは?

    日本の童謡を思い浮かべてしまう重機に表示されたある動物のマーク。これって海外でも通じるのでしょうか?

    重機で見つけた「わかりやすすぎる」かわいらしい表示が話題になっています。

    作業機械のクローズアップ、警告ラベルとレバーが見える。

    こんなにも単純かつ言葉がわからなくてもわかりやすい操縦レバーがあるもんかね?🐢🐇 pic.twitter.com/SSNS7vLATz

    — 東京二輪🧨発破技士のりょうさん。 (@CL50BOAT) April 16, 2024
    Twitter: @CL50BOAT

    4月16日、発破技士のりょうさん(@CL50BOAT)がX(旧Twitter)に投稿したのは、重機に乗った際に見つけたというウサギと亀の表示です。

    回転数を調整するレバーには、速い回転位置ではウサギが、遅い回転位置では亀のマークが表示されています。なるほど、言葉がなくてもわかりやすい表記ですね。

    投稿者さんも「こんなにも単純かつ言葉がわからなくてもわかりやすい操縦レバーがあるもんかね?🐢🐇」と感心した様子でしたが、「海外の人はこれでわかるのかな」といったコメントも寄せられていました。

    実は国際規格に沿った表示なんです!

    このウサギと亀の表示ですが、実はスイスのジュネーブに本部を置く国際標準化機構(ISO)が定めた、れっきとした国際規格。機器に用いる図記号「ISO 7000」で定められています。

    ISOの公式サイトで調べてみると、ウサギ(2810)亀(2811)どちらも本当にヒットし、ウサギのマークには「機能または機構の高速設定を示す(訳:編集部)」、亀のマークには「機能または機構の低速設定を示す」と詳細な使い方まで記載されていました。

    写真は機能する黒いシルエットのウサギの図形のアイコンです。

    『ウサギと亀』と聞くと「もしもし かめよ かめさんよ」と、ついつい懐かしい日本の童謡や昔話を思い浮かべてしまいますが、もとは紀元前6世紀ごろの古代ギリシャで活動したイソップという人によって語られたとされる「イソップ寓話」のお話の一つ。

    ウサギは速く、亀は遅いというのは、全世界で共通の表現のようです。

    SNSでは、

    💬「農機具によく付いてるけど国際規格だったとは知らなかった……」  

    💬「結構使われているマークで、平成初期の自動車ではよく見たよ」

    💬「除雪機でも見た」

    💬「ウサギと亀が国際規格だったとはw」

    など、驚いたという人のコメントや、実は身近でも使われているという写真が多く投稿されていました。例えば、iPhoneの標準アプリ「ボイスメモ」では、オプション画面の再生速度調整画面でも「ウサギと亀」の表示が使われているようです。本当だ!

    スマートフォンの画面で、「すべての録音」と表示された音声メモアプリです。

    ちなみに、さらに遅い「超低速」を表現する場合用に、ISO7000では「かたつむり(2812)」も規格として定めています。これもわかりやすいですね。  

    ※記事中の亀のISOデザインを2639番と記載しておりましたが、正しくは2811番だったので修正しております。

    スネールマークが描かれたシンボル。遅い動作を示す。