スタジオジブリの劇場アニメの名作『天空の城ラピュタ』の1シーンをハイテクで再現した動画がSNSで大きな注目を集めています。
劇中でムスカ大佐が使っていた「黒い石」を再現
この装置を作ったのは、コワーキングスペース「秋葉原ハッカースペース」の運営、電子工作やIoTのワークショップ教室などを開催している、IoT/DXのコンサルタントのSteve Kasuya(@SteveKasuya2)さん。
『天空の城ラピュタ』の劇中では、ムスカ大佐が文字が描かれた石板「黒い石」に飛行石をかざして、浮遊都市「ラピュタ」を操作するシーンが描かれていました。
今回、Steve Kasuyaさんは、これに着想を得て、特定の文字列に飛行石をかざすことで鍵の開閉ができるスマートロックを作り上げました。
飛行石をかざしたところが赤く光って文字が浮かび上がる様子は、まさに作中で描かれていた「黒い石」そのもの。ムスカのように「諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね」と思わず言い放ちたくなっちゃいますね。
今回の動画は「すごいものを作りましたね!!」「自宅内の自室に使ってみたい」「めちゃくちゃいいな」といった多くの反響を呼び、約1万9000件の「いいね」を集めています。
黒い石に「飛行石」をかざしてロック解除!
こだわりは「文字の光り方を本物そっくりに」
ラピュタ好きにはたまらない飛行石と黒い石の超技術を再現したスマートロックについて、BuzzFeed JAPAN編集部は制作者のSteve Kasuyaさんにこだわったポイントなどを聞いてみました。
――飛行石で開けるスマートロックを作ろうと思ったきっかけを教えてください
映像の中にしか存在しない「黒い石」を、現代の科学技術を使えば、きっと実物にできると思ったからです。
――クオリティの高さに圧倒されますが、具体的な仕組みはどうなっているのでしょうか?
120個のLEDと文字版の裏側に取り付けたセンサーを、Raspberry Pi Pico W(ラズパイPico W)という超小型コンピューターにつなぎ、飛行石の内部にある強力磁石でセンサーが反応するのをトリガーに、ラズパイPico Wに保存されたプログラムでLEDを光らせています。スマートロックとの通信はクラウドサービスのAWSを使用しています。
――制作にかかった時間やコストを教えてください
2週間、5000円ほどです。
――制作にあたって、特にこだわったポイントや難しかった点があれば教えてください。
こだわったポイントは、映画『天空の城ラピュタ』の映像からラピュタ文字の字体を忠実にデータ化したのと、文字の光り方を本物そっくりにしたこと、AWSを使用することで商用レベルのセキュリティを実現したこと、です。
難しかった点は、1つの文字が光るとき、周りの文字まで光らないように内部の格子状の構造を工夫したり、1つの文字が均一に光るようにLEDの光の拡散と文字盤との距離の調整が必要だった点です。
――こちらの技術は、実際に現在もドアの開閉に使用されているのでしょうか?
はい、友人が来た際などに使用しています。