「ポケモンGO」が配信された日、BuzzFeedのオフィスでは、プラレールの「全自動ふかそうち」が運行開始。ゲットしたタマゴを歩かずに孵化させようと試みた。
しかし、タマゴは孵らなかった。
この日を待ってた。 #ポケモンGO
明治大学の宮下研究室が「実世界ふかそうち」を開発
数多くのトレーナーが「全自動ふかそうち」の開発を試みる中、明治大学総合数理学部・宮下芳明教授(@HomeiMiyashita)の研究室が25日、お掃除ロボットのルンバを用いた「実世界ふかそうち」による孵化に成功した。
自動化には何が必要なのか。宮下教授に話を聞いた。
大事なのは「自分のアバターが静止ではなくちゃんと歩くアニメーションになるようにすること」と話す。

必要なのは「距離」
研究室の学生らと、ルンバの速度と往復距離を制御するプログラムを書いたが、室内の距離ではアバターは歩く動作にはならなかった。
「屋外で15mほどの往復プログラムにしたところ、アバターがようやく『歩く』ようになりそれで孵化させた次第です」
「狭いプラレールや扇風機のような小さい動きでは、さすがにGPSはだませないと思う」
「プラレール対策」として同じ速度で機械的に動く「等速運動」がはじかれるような仕組みがあったら、加速や減速を織り交ぜ、人間らしい動きを再現しようと考えていたそうだ。今回はそれをせずにごまかせたという。
この実験の目的について尋ねると、宮下教授は「そりゃあ寝てる間も自動孵化させたいですからね」と冗談を交えながら本当の目的について話した。
ゲーム感覚でプログラミングに親しんで欲しい
宮下教授は他にも、スプラトゥーンのゲームログでルンバを動かす研究がある。今年、1年生向けの最初のプログラミングの授業で、プログラムによってルンバを動かすデモを行った。
今回の実世界ふかそうちの開発もプログラミング学習の課題として取り入れた。いろんな軌道や速度変化をプログラミングし、「よりゲームプレイヤーらしく」ポケモンGOのアプリに認識されるにはどうするのか、学習者に試行錯誤してもらうのが狙いだ。
宮下研究室の学生数人と昼休みに思いつき、1時間後にはプログラムができていたという。
宮下教授は「いたずら心とかゲーム感覚でプログラミングに親しんでほしいと常々思っているので、『プログラミングにおけるモチベーションの向上』が本当の目的です」と話している。
自動孵化装置(ルンバ)
この実験の様子は明治大学キャンパス内で多数のトレーナーたちに目撃された。
訂正
宮下さんの発言の表現を、一部改めました。