「シン・ゴジラのパンフレットは、日曜日で売り切れました」と映画館のスタッフは言った。
7月29日(金)に公開以降、3日で56万5000人、興収8億4700円。パンフレットは次の入荷がわからない。それくらいの勢いだ。
そんな中、Apple Store Ginzaにてトークイベントが開催され、撮影の裏側が明かされた。

1. 本格始動から約1年で完成した
YouTubeでこの動画を見る
企画自体は2013年に始まったが、脚本が完成したのは2015年9月。大掛かりな撮影は昨年の8月17日に始まった。
「インしてから1年で完成するのって速いですよね」(樋口)
2. ワンカット目は庵野監督がiPhoneで撮影した
撮影には、本格的な機材の他にGo ProやiPhoneが多く使われた。「庵野さんが現場で自分でも素材を撮る人だから」だそうで、冒頭のカットはそれが採用された。
「テスト撮影のときに『iPhoneが使えるか?』という話になって、試しに使ってみて…試写で見たら愕然としたんですよ。よくて」(佐藤)
「狭い室内や入りたいアングルに大きなカメラだとすっと入れない。iPhoneだとひゅっと入れちゃう」(佐藤)
もちろんiPhoneにだって問題はある。タッチパネルで触れた部分に自動的にフォーカスが当てられてしまう点だ。
「自分でどこにフォーカスを設定することがお芝居を撮るときに重要なので。こんなことを言っていると、そのうちアプリが開発されたりね…期待したいです」(樋口)
3. 樋口監督が使っていたのはiPad Pro


「今までデスクトップPCでやってた仕事はiPad Proに移行した」と話す樋口監督。絵コンテはもちろん、各チームで撮影したものは常にみんなで共有できるようにしていたという。
4. 撮影前にラジオドラマが収録されていた
当初、脚本が300ページあり、スタッフの全員が「これは3時間超えだな」と思ったそうだ。映画界の常識では「脚本の1ページが1分」と言われているためだ。庵野監督だけが「2時間で収まる」と断言していた。
そこで声優を集め、3日ほどかけて脚本の全セリフを収録した。一時間半強で収まったため、プロジェクトが進行することになった。
「3時間映画になったら、僕、会社クビになるって思いました」(山内)
5. 政府・官僚たちへの取材のもと、会議シーンが生まれていた

6. ゴジラの肌はゴーヤーがモデル


ゴジラといえば人がきぐるみに入って動く特撮が有名だが、今回はフルCG。写真左側が造形師・竹谷隆之さんによるゴジラの雛形。
「ゴーヤーの凸凹を再現してもらうようにしました(笑)」(佐藤)
雛形からアレンジ案も出たものの、現場で「雛形に敗北した」と語られるほどに、精緻な作りとなっている。
7. 煙突がゴジラになることも
YouTubeでこの動画を見る
ゴジラがゆっくりと歩くのを下から撮影しているシーン。これはCMでも流れたが、撮影されたのはクランクアップ後だった。提案したのはもちろん庵野総監督。
場所は横浜と川崎の間。焼却炉の煙突(110mほど)にゴジラを合成させた。
8. リアルを追求している中で、注目すべきは東宝的な「音」
