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「シン・ゴジラ」舞台裏を支えたのはiPhoneとiPad? 監督が明かす

クランクインから1年で完成していた。その秘訣は?

「シン・ゴジラのパンフレットは、日曜日で売り切れました」と映画館のスタッフは言った。

7月29日(金)に公開以降、3日で56万5000人、興収8億4700円。パンフレットは次の入荷がわからない。それくらいの勢いだ。

そんな中、Apple Store Ginzaにてトークイベントが開催され、撮影の裏側が明かされた。

Apple Store, Ginza (c) Kensuke Tomuro

登壇したのは、監督・特技監督の樋口真嗣さん(中央)と編集・VFXスーパーバイザーの佐藤敦紀(右)さん、エグゼクティブプロデューサーの山内章弘(左)さんだ。

イベント終了後、樋口さんと佐藤さんに話を聞いた。イベントの内容も合わせて「シン・ゴジラ」の裏側を紹介する。(以下、発言は敬称略)

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1. 本格始動から約1年で完成した

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企画自体は2013年に始まったが、脚本が完成したのは2015年9月。大掛かりな撮影は昨年の8月17日に始まった。

「インしてから1年で完成するのって速いですよね」(樋口)

2. ワンカット目は庵野監督がiPhoneで撮影した

撮影には、本格的な機材の他にGo ProやiPhoneが多く使われた。「庵野さんが現場で自分でも素材を撮る人だから」だそうで、冒頭のカットはそれが採用された。

「テスト撮影のときに『iPhoneが使えるか?』という話になって、試しに使ってみて…試写で見たら愕然としたんですよ。よくて」(佐藤)

「狭い室内や入りたいアングルに大きなカメラだとすっと入れない。iPhoneだとひゅっと入れちゃう」(佐藤)

もちろんiPhoneにだって問題はある。タッチパネルで触れた部分に自動的にフォーカスが当てられてしまう点だ。

「自分でどこにフォーカスを設定することがお芝居を撮るときに重要なので。こんなことを言っていると、そのうちアプリが開発されたりね…期待したいです」(樋口)

3. 樋口監督が使っていたのはiPad Pro

「今までデスクトップPCでやってた仕事はiPad Proに移行した」と話す樋口監督。絵コンテはもちろん、各チームで撮影したものは常にみんなで共有できるようにしていたという。

4. 撮影前にラジオドラマが収録されていた

当初、脚本が300ページあり、スタッフの全員が「これは3時間超えだな」と思ったそうだ。映画界の常識では「脚本の1ページが1分」と言われているためだ。庵野監督だけが「2時間で収まる」と断言していた。

そこで声優を集め、3日ほどかけて脚本の全セリフを収録した。一時間半強で収まったため、プロジェクトが進行することになった。

「3時間映画になったら、僕、会社クビになるって思いました」(山内)

5. 政府・官僚たちへの取材のもと、会議シーンが生まれていた

Ⓒ2016 TOHO CO.,LTD.

「シン・ゴジラ」で欠かせないのは、会議シーンだ。現場で起きている問題や法案の変更点などを、閣僚に耳打ちして説明する。ここがとてもリアルに描かれていて冷や汗すらかく。

この緊迫感は、官僚たちの取材をもとに生まれた。

「官僚たちのやりとりが、すごくアスリートっぽかったんです。東京の真ん中には、怪獣とは別にすごい生き物がいるんだって思ったんですよね。感激したんですよ」(樋口)

6. ゴジラの肌はゴーヤーがモデル

ゴジラといえば人がきぐるみに入って動く特撮が有名だが、今回はフルCG。写真左側が造形師・竹谷隆之さんによるゴジラの雛形。

「ゴーヤーの凸凹を再現してもらうようにしました(笑)」(佐藤)

雛形からアレンジ案も出たものの、現場で「雛形に敗北した」と語られるほどに、精緻な作りとなっている。

7. 煙突がゴジラになることも

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ゴジラがゆっくりと歩くのを下から撮影しているシーン。これはCMでも流れたが、撮影されたのはクランクアップ後だった。提案したのはもちろん庵野総監督。

場所は横浜と川崎の間。焼却炉の煙突(110mほど)にゴジラを合成させた。

8. リアルを追求している中で、注目すべきは東宝的な「音」

Ⓒ2016 TOHO CO.,LTD.

「シン・ゴジラ」ではCGがふんだんに使われたものの、木造建築などは3D CGでの再現が難しいため一部ミニチュアを使用した。大きさは原寸大の6分の1〜4分の1程度だ。

空撮が厳しい部分などはフルCG、一部はミニチュアとハイブリッドな撮影をすることでリアルさを追求した。

「庵野監督は、映像にはひたすら『シンプルにリアルに』と指示していたのに、つける音が東宝の特撮映画で昔から使っている『プシューンッッ』みたいな効果音で、CGなのにミニチュアに見えてくるんですよ。特撮らしさって音が大事なのかもしれない」(樋口)

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