コンテナ船が塞いでいたスエズ運河の「詰まり」が解消
何が起きたのか
なぜこうなったのか
運河の両方で再開待ちの船舶がずらりと。
コンテナ船の巨大さは陸上から見るとよく分かる
スエズ運河はなぜ重要なの?
損害は?
スエズ運河はエジプトの国有で、通航料は天然資源が豊かとはいえないエジプトにとって、貴重な収入だ。
エジプト政府によると、スエズ運河では2020年、約1万8800隻の船舶が通過し、11億7千万トンの貨物が運ばれた。通航料などとしてエジプトに入った収入は56億ドル。
単純計算で1隻あたり29万8000ドル(約3200万円)を通航料などとして運河庁に支払っていることになる。
運河庁のラビア長官は、運河庁が受けた1日あたりの損害は1200-1500万ドル(約13-16億円)と推測している。
その賠償を巡っては、事故原因の調査後に、船を所有する正栄汽船と運河庁をはじめとする関係者の間で協議されることになりそうだ。
また、正栄汽船をはじめ海運各社は事故などに備えた保険をかけており、保険も適用されることになるだろう。
かつて運河を巡る戦争も起きた
スエズを渡る橋は日本が建設した
今回の事故で浮き彫りとなったこと
世界経済にとって、そして日本にとって、スエズ運河が使えなくなると大変な損失となることが、今回の事故で改めて浮き彫りとなった。
そして、もし何らかの勢力が政治的な意図を持ってこのような形で運河を封鎖、あるいは破壊した場合のリスクも改めて注目されることになった。
エジプト政府は従来から、運河周辺への立ち入りや写真撮影などを厳しく制限してきたが、こうした事故の再発防止策やさらなる警備の強化も、これからの焦点になりそうだ。