「みんなで乗り越えよう」台風禍の日本を沸かせたラグビー選手が語った誓い

    台風の影響で試合の開催も危ぶまれたラグビーW杯スコットランド戦。日本は死闘を制して初の8強進出を決めました。その背景にあった思いは。

    初の8強進出を果たしたラグビー日本代表。試合に先立ち行われたのは、台風19号で犠牲となった方々への黙祷でした。

    台風19号の影響による犠牲者へ黙祷が捧げられました。ラグビー界からは世界中からSNS等を通じて支援、団結、思いやりを表明する数多くのメッセージが寄せられています。 #RWC2019 #JPNvSCO #RWC横浜

    Via Twitter: @rugbyworldcupjp

    両チームの選手たち、そして7万人近い観客が立ち、黙祷しました。

    コーチ陣は「台風で大切な人を亡くした方々のために」と選手に檄。

    コーチ達もが自分達に今日言いました。 今日は家族のために戦う、この台風で大切な人を亡くした方々の為に、その方たちを忘れる事なく力一杯戦うこと。 今日は、日本の全ての人達の為に戦う!#oneteam

    ツイヘンドリック選手が、試合前の出来事を明かしました。

    そして....

    スコットランドとの死闘をしのぎ、日本代表が初の8強進出

    有言実行できた! 日本が台風で大変な時に、勝利という最大の事ができて良かった! みんなで乗り越えていきましょう! What a day!!! #oneteam #日本 #japan

    快足ウイング松島幸太朗選手はこのW杯で「チームのことを優先させながらトライを取って勝つ」と言い続けてきました。

    その言葉通り、スコットランド戦でもトライを取って、勝利。松島選手は今大会5トライで、トライ数レースでは首位タイに並んでいます。

    代表選出7年で初のトライを決めた、笑わない男・稲垣選手

    歴史を作った。ここから更なる挑戦が始まる。台風で被害に遭った日本を元気にしようぜ。

    稲垣選手のポジションは、スクラムの最前列で相手と押し合うプロップ。

    密集状態の中で相手と組み合うのが主な仕事で、ボールを持って走る場面はあまりありません。が、この日はパスを受け、相手選手が足にしがみついてくるのをものともせず突進。代表チームでの自身初トライを決めました。

    稲垣選手はコワモテで、めったに笑顔を見せないことでも有名です。

    試合後のインタビューで「笑わない男・稲垣さんは、(トライ)でも笑顔ありませんでしたね」と問われ、

    「笑ったことないですね」「でも被災した方々に、ラグビーで元気を取り戻していただきたい。そういう気持ちで取り組みました」と語りました。

    「新しい歴史だ」 2トライを決め、この試合のMVPに選ばれた福岡堅樹選手

    これが新たな日本ラグビーの歴史だ! 本当にたくさんの応援ありがとうございました!!

    日本にとってW杯の8強進出は史上初。

    そしてW杯で、ティア1(欧州などのトップ10チーム)以外が、4連勝で8強に進出するのも初めて。新しい歴史を刻んだのです。

    快足を飛ばして次々とトライを決めるウイングの福岡堅樹選手(27)の夢は、医学部に入り直して整形外科医になること。W杯は今回限りとすることを決めています。

    それだけに思いも強く、試合後は芝生に突っ伏して肩をふるわせていました。

    「日本中に勇気を」中村選手

    これまで沢山のことを乗り越えて良かった! 日本中に勇気を… その想いでディフェンスしました。 #ONETEAM #japan #勇気

    果敢なタックルで敵の進出を何度も食い止めた中村亮土選手