ラグビーW杯が食品の持ち込みを解禁 大行列と売り切れ続出で姿勢変更

    「スタジアムで何も食べられない」。SNSなどで批判が拡がり、組織委員会が対応を改めた。

    日本で開かれているラグビーW杯を運営するラグビーワールドカップ2019組織委員会は9月23日、これまで全面的に禁止してきたスタジアムへの観客の食品の持ち込みを、同日から解禁する、と発表した。

    「商品が売切れとなるなど、ご来場者の需要にお応えできない状況が発生していることから食品についての規制を緩和する」としている。

    W杯ではスタジアムで食べ物を求める観客の長い列ができたうえ売り切れも相次ぎ、SNS上などで批判が相次いでいた。

    なお、飲み物は今後も持ち込み禁止が続くので注意が必要だ。

    ラグビーW杯ではこれまで、食品の持ち込みを禁止し、スタジアム入り口で行う所持品検査でも、観客に「食べ物や飲み物を持っていませんね」と確認していた。

    しかし、9月20日に東京スタジアム(東京都調布市)で行われた開会式と初戦の日本・ロシア戦や、翌21日に横浜国際総合競技場で行われたニュージーランド・南アフリカ戦などで、食品を求める観客の長い列ができた。売り切れとなる売り場も相次いだ。

    こうした状況にSNSなどで、「これでいいのか」と批判の声が相次いでいた。

    食品の持ち込み解禁を伝える公式アカウント

    【#RWC2019 食品の持込禁止規制の緩和について】 本日(9月23日)から、ラグビーワールドカップ2019日本大会の全ての会場には 食品(個人で消費できる程度の量に限る)のお持ち込みは可能となります。 この方針変更は食品のみなので、ご注意ください。

    @rugbyworldcupjp / Via Twitter: @rugbyworldcupjp

    食品の持ち込みが解禁されたことで、「スタジアム内で食べるものがない」「唐揚げを買うのに1時間並ぶ」といった問題は解決に向かうが、飲み物は引き続き、医療用のものを除きすべて持ち込み禁止のため、注意が必要だ。

    記者が9月20日、21日に東京と横浜のスタジアムで確認した限りでは、観客席ではビールの売り子しか巡回していなかった。また、複数の飲み物売り場が「ビール以外は売り切れ」と掲げていた。

    子ども連れで観戦する人やアルコールを飲まない人は、早めに会場に入り、早めにソフトドリンクを確保する必要がある。

    スタジアム内の飲料価格表

    ラグビーW杯組織委員会の発表は以下の通り。


    ラグビーワールドカップ2019日本大会試合会場でご観戦予定の皆様へ

    公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会は、これまで設定してきた会場内への持込禁止規制において、一部の規制を緩和することを決定しましたので、お知らせいたします。

    開幕戦以降、非常に多くのご観戦者にご来場いただき改めて御礼申し上げます。

    現在、一部試合会場内の食品販売店舗において、商品が売切れとなるなど、ご来場者の需要にお応えできない状況が発生していることから、会場を訪れる皆様に、より快適な観戦環境を提供するため、持込禁止物の内、食品についての規制を緩和することといたしました。

    緩和の対象は、食品(個人で消費できる程度の量)に限り、飲料についてはこれまで通り持込禁止となります。尚、全ての会場に無料の給水所をご用意しておりますので、ご利用ください。

    ラグビーワールドカップ2019日本大会は、引き続き最高の試合環境と観戦環境の準備に努め、皆様のご来場をお待ちしております。

    ◆規制緩和の対象日:9月23日(月)以降の全ての試合(※)

    ◆規制緩和の内容 :食品全般(個人で消費できる程度の量の持ち込みを可とする) 

     飲料はこれまで通り持込禁止です。

    ※9月23日(月)ウェールズ v ジョージア(豊田スタジアム 19:15キックオフ)より適用。