あの路線が大幅改善?! 日本の混雑路線ワースト10 最新版が発表

    国土交通省が発表した最新版の全国通勤電車混雑ランキング。一部に異変が。

    国土交通省が最新の通勤電車混雑ランキングを発表

    国土交通省が7月17日、日本全国の状況をまとめた最新版の列車混雑率調査(2017年度版)を発表しました。わたしたちが通勤や通学で毎朝乗っている路線は、日本で何番目に混んでいるのでしょうか。ワースト10をご紹介します。

    10位 JR中央線快速

    時事通信

    区間:中野→新宿

    混雑率:184%

    混雑と遅延によるのろのろ運転でおなじみの中央線です。

    ただし三鷹以東の場合、平行する総武線直通の各駅停車に乗れば、最も混んでいる代々木→千駄ヶ谷間でも混雑率は97%とずいぶん緩和されるので、こちらを選ぶのも手です。

    8位(同率) 東急田園都市線

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    区間:池尻大橋→渋谷

    混雑率:185%

    東急田園都市線は同率8位。2016年度版調査と同じ8位でした。住宅地として人気のある路線ですが、混んでいるのも事実です。

    8位(同率) JR埼京線

    Kouki Kuriyama / Creative Commons / Via flic.kr

    区間:板橋→池袋

    混雑率:185%

    前年度のランキングでワースト10に顔を出さず、むしろ多くの埼京線利用者が「ランキング入りしないのか」と驚いた埼京線がここに。

    なお、混雑率は5ポイント増えてしまいました。

    7位 JR京浜東北線

    時事通信

    区間:大井町→品川

    混雑率:186%

    前年度は10位だった京浜東北線がランクアップ、いや混雑という意味ではランクダウンで7位に。

    なお、逆方面で最も混んでいるのは、川口→赤羽間の173%でした。

    5位(同率) JR東海道線

    Yoshihiro Kando/BuzzFeed

    区間:川崎→品川

    混雑率:187%

    東海道線は今回の調査でもランキングに入りました。混雑率が3ポイント悪化し、10位から5位に。グリーン車に毎朝乗れるようになりたい。

    5位(同率) 日暮里・舎人ライナー

    時事通信

    区間:赤土小学校前→西日暮里

    混雑率:187%

    前回の調査で同率4位となった新交通システムの日暮里・舎人ライナーが今回の調査でもここに。

    5両編成と短いうえ車両も小さく、1時間当たりの輸送力がJR中央線快速の10分の1のため、乗客数の割に混んでいるという結果が出ています。輸送力の強化が急務ですね。

    4位 JR南武線

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    区間:武蔵中原→武蔵小杉

    混雑率:189%

    タワマンの集まる武蔵小杉を通る南武線が今回もランク入りしました。次の路線も武蔵小杉を通る路線で、武蔵小杉周辺の輸送力や駅の改善はまったなしです。

    3位 JR横須賀線

    時事通信

    区間:武蔵小杉→西大井

    混雑率:196%

    逗子、鎌倉方面からだけでなく、武蔵小杉から品川、東京方面への乗り換え客も集める横須賀線が3位に。混雑率は5ポイント悪化しています。

    JR東日本と川崎市は、混雑率調査が発表された7月17日、武蔵小杉駅で横須賀線のホーム増設と、歩行者の分散を図るための新改札口の設置を行うことを発表しました。

    現在1本のホームで上下線をさばいている横須賀線に下り専用ホームを2023年度に増設し、今のホームは上り列車専用となって乗客が分散されます。これで、人であふれているホームの状況が改善すればいいのですが。

    2位 JR総武線各駅停車

    Yoshihiro Kando/BuzzFeed

    区間:錦糸町→両国

    混雑率:197%

    2位は前回調査に続き、総武線各駅停車です。混雑率は1ポイント改善しましたが、実際に乗ってもほとんど変化はないかもしれません。平行する総武線快速も新小岩→両国間で181%と激しい混雑ぶりで、千葉方面からの通勤は辛い、ということしか言えませんね。

    1位 東京メトロ東西線

    Yoshihiro Kando/BuzzFeed

    区間:木場→門前仲町

    混雑率:199%

    日本最悪の混雑路線は、今回の調査でも地下鉄東西線でした。混雑率も横ばいのままです。

    周辺では、有楽町線を豊洲から東陽町を通って住吉まで延伸する議論が続いています。これが実現すれば、都心部への新たなルートができるため、地元の江東区は、東陽町で東西線から乗り換える乗客が出て、東西線の混雑が199%から、2030年の予測値で176%まで緩和されると試算しています。

    一方で問題は、1400億円を超える事業費をどこがどう負担するかで、東京都と東京メトロ、江東区などの協議が続いています。

    さて、首都圏以外は?

    以上、ワースト10は全て首都圏でした。

    関西でのワーストは阪急神戸本線(神崎川→十三間)の147%、次いで大阪市営地下鉄・御堂筋線(梅田→淀屋橋間)の146%でした。

    中京圏では名鉄本線の神宮前→金山間、栄生→名鉄名古屋間、犬山線の下小田井→枇杷島分岐点間が143%の同率で並んでいます。

    また、福岡の西鉄貝塚線(名島→貝塚間)は152%の混雑です。

    これは2両編成という輸送力の低さに原因があるようです。

    広島地区では通勤・通学路線に大きな被害

    そして、今回の豪雨で大きな被害を受けた広島県では、JR山陽線の西条→広島間が103%と3大都市圏から見れば低い混雑率ですが、土砂崩れや路盤の崩壊で線路が大きな被害を受けており、通勤・通学客の多い山陽線や呉線、芸備線の全面復旧には相当の時間がかかる見通しです。

    当面はバスなど代替手段による通勤や通学となりますが、大変な日々が続きます。一日も早い復旧を祈ります。

    小田急は数値が一気に改善し、ランク外に

    ここまでランキングをご覧になって、「あれ?」と思った方はいらっしゃいませんか。

    そう。前年度調査では全国ワースト3で、首都圏で長らく混んでいる列車の代名詞だった小田急小田原線が、今回は登場しないのです。

    国土交通省に問い合わせたところ、その理由は年度の終わりに当たる2018年3月に完成した複々線化事業でした。線路が増えたことに伴う大幅なダイヤ改正で輸送力が増え、混雑率は151%まで改善し、ワースト10から外れました。

    とはいえ、小田急での通勤が大幅に楽になったという話は、あまり聞きません。この感覚のズレは、なぜ起きているのでしょう。

    国交省の担当者によると、混雑率とは、路線の1時間あたりの輸送力を乗客数で割ったもので、いわば平均値。個々の列車の混雑度を示したものではありません。「だから、乗る列車によって違いが出る可能性がある」といいます。

    小田急は分散乗車が狙い目

    小田急電鉄の広報担当者は「列車種別により混雑率にばらつきがあり、駅によっては、例えば快速急行に乗客が集中したりする。しかし、その前後の各停や急行などにお乗りいただければ、今までよりも空いている可能性が高くなります。一方で新宿や代々木上原への到着時間はそれほど変わらないため、いまはお客様に分散乗車をPRしています」と話していました。

    小田急沿線の方は、少し早めに出て準急や各停など別の種類の列車に乗れば、以前のような混雑を避けられるかもしれない、ということのようです。

    混雑率の定義

    国土交通省

    国土交通省は、混雑率をこのように定義しています。

    さて、まとめです。

    Nozomi Shiya, Yoshihiro Kando / BuzzFeed