「私は最初の女性副大統領かもしれない。でも…」ハリス氏のスピーチに感動の声相次ぐ

    アメリカ史上初の女性副大統領となることが確実なカマラ・ハリス氏が、勝利を宣言する演説で語った。

    アメリカ大統領選で民主党のジョー・バイデン氏の当選が確実になったことで、バイデン氏が副大統領候補に指名したカマラ・ハリス氏が、アメリカ史上初の女性副大統領となることも確実となった。

    バイデン氏とともに11月7日(現地時間)勝利の演説をしたハリス氏は、「私は最初の女性副大統領かも知れないが、最後ではない。なぜならば、これを見ている全ての少女たちが、アメリカは可能性に満ちた国だと思うからです」と述べ、子どもたちに「大志を持って夢を」と語りかけた。

    そして、これまで100年以上にわたり、さまざまな人種の多くの女性たちが権利や平等を求めて闘い続けてきた歴史に思いを馳せると語り、支持者らの大きな歓声を受けた。

    ハリス氏は父がジャマイカ系、母がインド系。こうした多様なルーツを持つ副大統領も、初めてとなる。

    Twitterでは「4年前のヒラリー・クリントンの敗北宣言スピーチに呼応するようで、思わず涙が出た」「初の女性副大統領に相応しいスピーチ」「なんか凄いな。やばい涙腺緩んでくる」といったコメントが相次いでいる。

    カマラ・ハリス氏の演説の主要部分は、次の通り。

    民主主義は闘い取らねばならない

    (公民権運動を率いた)ジョン・ルイス下院議員は亡くなる前に、「民主主義は状態ではない」と書いています。それは行為であり、彼が言いたかったのは、アメリカの民主主義は保障されていないということです。民主主義のために闘う私たちの意志を強くしないと、民主主義も強くならないのです。

    民主主義を守り、決して民主主義があることを当たり前と思わず、保護すること。私たちの民主主義には闘争が必要です。犠牲を伴います。しかし、そこには喜びがあり、進歩があります。なぜなら、私たち国民には、より良い未来を築く力があるからです。

    そして、この選挙で私たちの民主主義が問われ、アメリカの魂が危機に瀕し、世界が見ている時、みなさんはアメリカの新しい日を保障してくれました。

    この素晴らしいチームのスタッフとボランティアのみなさん。これまで以上に多くの人々を民主主義のプロセスに巻き込んでくれたことに感謝します

    そしてこの勝利を可能にしてくれたのは... 一票一票を確実に数えるために疲れを知らず働いてくれた全国の投票所の職員と選挙管理者の皆さんのおかげです。みなさんが民主主義の一体性を守ってくれたことに、国中が感謝しています。私たちの美しい国をかたちづくる人々、記録的な数の投票をしていただき、ありがとうございます。

    そして私たちは困難な時を過ごしています。特にここ数ヶ月は、悲しみや痛み、懸念や闘争が相次ぎました。しかし、私たちはまた、国民の勇気と回復力、寛大な精神も目撃してきました。私たちの暮らしのために、そして地球のために、礼儀と正義を求めて、みなさんは投票しました。

    そしてみなさんは、明確なメッセージを示しました。 希望と団結と良識の科学を選んだのです。そして、みなさんはジョー・バイデンを次の大統領に選びました。

    ジョーは癒やしと団結をもたらす人物です。(交通事故などで妻子を失うという)自らの喪失体験が彼に目的意識を与えました。そして、国としての目的意識を取り戻すのにも役立つでしょう。

    女性たちの闘いを思う

    母シャンバラ・ゴパラン・ハリスは、いつも私たちの心の中にいました。

    彼女が19歳でインドからアメリカに来たとき、この瞬間を想像していなかったかもしれません。しかし、アメリカとはこのようなことが可能な国であると、彼女は深く信じていました。

    だから私は、母のことや、これまでの黒人、アジア系、白人、ラテン系、アメリカ先住民の女性たち、今夜のこの瞬間のために道を切り開いてくれた人々のことを今、思っています。全ての人々の平等と自由と正義のために多くのことを犠牲にして闘った女性たちです。その中には、あまりにも見落とされがちになってきた黒人女性たちのことも含まれています。彼女たちが私たちの民主主義のバックボーンであることを証明してくれました。

    女性たちは、100年以上にわたり権利のために闘ってきました。100年前には(女性に参政権を保障した)憲法修正19条の成立に向けて、55年前には(人種差別を禁止する)投票権法の制定のため、そして今2020年には、投票権を行使し、投票して声を届ける権利を守るために戦い続けている、私たちの国の新しい世代の女性たちがいます。

    今夜、私は彼女たちの闘争に思いを馳せます。

    ジョーは、この国に存在する最も実質的な障壁の一つを破るための大胆さを持ち、副大統領に女性を選んだのです。

    「私が最後ではない」「大志を持とう」

    私は副大統領となる最初の女性かもしれません。しかし、私で最後ではありません。

    なぜならば、今夜これを見ている全ての少女たちが、アメリカは可能性に満ちた国だと思うからです。そして私たちの国は、ジェンダーを問わずアメリカの全ての子どもたちに明確なメッセージを送りました。大志を持って夢を見なさい。信念を持ってリードしなさい。他の人がやったことがない方法で自分自身を見なさい。そして、私たちは、あなたが取るどんなステップも讃えることを知っていてください。

    アメリカ国民のみなさん、誰に投票したかに関わりません。私はジョーがオバマ大統領にしたように、忠実で正直で、準備ができていて、あなたとあなたの家族のことを考えて毎朝起きるよう、懸命に努力します。

    なぜなら今が、本当の仕事が始まる時だからです。生命を守り感染対策を行うこと、勤労者のための経済の再建、この社会と司法制度の制度的人種差別を根絶すること、気候危機に立ち向かうこと、 団結と国の魂を癒すこと。

    簡単な道のりではではないでしょう。しかし、アメリカは準備ができています。ジョーと私もです。


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