女子高校生を企業のナンバー3にあたるCFOに任命した企業ユーグレナ(出雲充社長)が、初代CFOの任期満了に伴い、2代目のCFOを公募している。
資格はただ一つ、「18歳以下」であること。日本語か英語で日常会話が可能であれば、国籍も問わない。
ユーグレナ社は、ミドリムシ(学名ユーグレナ)の大量培養技術を確立し、ミドリムシを使った飲料や健康食品、化粧品などを開発する一方、ミドリムシや廃食用油などをつかったバイオディーゼル燃料を実用化を進めている。
一般的にCFOといえば、「最高財務責任者(Chief Financial Officer)」だが、この会社では「最高未来責任者(Chef Future Officer)」だ。
会社法上の「役員」ではないが、社内では社長、副社長に次ぐナンバー3と位置づけ、社内外での活動を支え、その提言を尊重するとしている。任期は1年。
「人と地球を健康にする」という経営理念に沿った行動ができているかを考え直し、未来に向かった施策を提言していくことが、CFOの役割だという。
同社の永田暁彦副社長は、18歳以下限定でCFOを募る理由を、「会社と地球の未来のことを決めるのに、未来を生きる当事者がいないのは、おかしい。だから、未来を生きる主役の子どもたちこそに、考えてもらおうと思うようになった」と説明している。
初代CFOはペットボトル全廃を提言
昨年8月の初公募の結果、当時17歳で初代CFOに就任した小澤杏子さん(18)と、小澤さんとともに行動する8人のサミットメンバーが選ばれた。
小澤CFOとサミットメンバーは社内の状況を調査し、「環境問題は、自分ごと化しにくい。であれば、消費者が意識しなくても環境に良い行動が取れるようにすべきだ」と提言した。
その結果として同社は2020年6月、既存の飲料用ペットボトル商品を全廃することと、一部の商品で消費者がプラスチックストローの有無を選べるようにすることを決めた。2020年9月から取り組みを始め、2021年中に商品に使用する石油由来プラスチック量を半減させることを目指しているという。
次期CFOとサミットメンバーは、この方針に沿った経営が行われているかどうかをみつつ、さらに新たな提言を行うことになる見通しだ。
永田副社長は「第1期生は素晴らしいインパクトを残してくれました」と、その成果をツイートしている。
詳しい情報と問い合わせは、同社のサイトへ。