ウクライナから避難してきた人々のために。人気マンガ家が描いた「日本語カード」が役に立つと話題

    ウクライナから避難してきても待ち受けるさまざまな壁。医療と言葉に関する壁の解消に取り組む、作成者くさか里樹さんの思いを聞きました。

    ロシアによるウクライナへの侵攻から2カ月あまり。近隣国へ逃れたウクライナの人々は500万人を超えました。日本政府もウクライナからの避難者を受け入れる方針で、すでに700人以上が日本に避難しています。

    やっとの思いで日本にたどり着いても、懸念されるのが住居、就労、そして医療。さらに、言葉の壁が立ち塞がります。その不安を解消する1つの手段として、マンガ家くさか里樹さんが、ウクライナ語の対訳を載せた「日本語カード」(病院編)をTwitterに投稿しました。

    ウクライナから日本に避難されてきたかたに使っていただきたい 【日本語カード】(病院編)が完成しました。 ウクライナご出身で、高知工科大学のコスチャンチン博士が翻訳をしてくださいました。博士、ほんとにありがとうございました❗️ 必要な方はこちらからコピってご自由にお使いください

    Twitter: @kusakariki0609

    病院で診察を受ける時に必要となる言葉や文章が、わかりやすいイラストと共にウクライナ語・日本語併記で紹介されています。

    くさかさんのツイートには、5千を超えるリツイートと「いいね」が寄せられました。「誰かの役に立つといいな」「拡散希望」と、引用リツイートする人も。

    BuzzFeedはカード作成者のくさか里樹さんに話を聞きました。

    くさかさんは、1980年に別冊少女コミックでデビューしたマンガ家です。代表作に「ケイリン野郎」「ヘルプマン!」「クマラジーヴァ」があります。

    ありがとうございます!続きを添付します!

    Twitter: @kusakariki0609

    まず、日本語カード作成に至った経緯を聞いてみました。

    「日本にウクライナからの避難民の方がいらっしゃったとニュースで知り、日本も役に立てることが嬉しかったです。と同時に、せっかく戦争という地獄から逃れてきたのに、見知らぬ異国で孤立という地獄が待っていた、なんてことになりませんように、祈っていました。

    『自分がカード作りゃいいじゃん』と、ぽこっと思いつきました。そこでFacebookに『どんな言葉がいいか知恵をお貸しください』と投稿したら、医療関係の懸念がたくさん寄せられたので、まずは急いで病院編を作りました」

    「シンプルに」「ざっくりと」

    Twitter: @kusakariki0609

    いきいきとした、元気になれるようなイラストを意識した、と語るくさかさん。

    細かく正確さを追求するとわかりにくくなるため、内容は「シンプルに」「ざっくりと」を目指したと言います。

    続編の構想は、すでにできあがっているそうです。

    「お子さん連れで避難して来られた方も多いとのことだったので、とにかく楽しく、遊びながら日本語に触れる、カルタのようなものを考えています」

    何かしたいという気持ちが溢れている

    最後に、くさかさんにツイートへの反響について聞いてみました。

    「アップした直後からピコリンピコリンと、お知らせ音が鳴りっぱなしでちょっとビビりました。

    みなさん、何かしたいという気持ちが溢れてるんだと感じました」


    くさかさんの他にも、さまざまな機関がウクライナからの避難民の方を言語的にサポートする取り組みをおこなっています。

    外国人患者対応力向上委員会

    ウクライナ語で医療用語を掲載しているサイトを集めています。

    多言語問診票(ロシア語)

    日本語を話せないロシア語話者が、病気や怪我の症状を医師などに伝えられるように制作された問診票です。