BuzzFeedは投稿者のYORIMIYAさんに話を聞きました
YORIMIYAさんはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を総称した、XR(クロスリアリティ)という領域でクリエイター・エンジニアとして活動中。VTuber(バーチャルYouTuber)のバーチャルライブのVFX制作も担当しています。
過去には、“初音ミクの渋谷ARライブ”や“サバゲーとARを組み合わせたARアプリ”を制作しています。
「XRとVTuberを組み合わせて、面白いことできないかなと考えながら生きています!」と話してくれました。
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春日部つむぎ(VTuber「春日部つくし」さんのVOICEVOX)のデジタルフィギュアカードも作成しています。
――極薄のフレキシブルディスプレイで動く初音ミクの姿、とてもワクワクしました。どのようなきっかけで思いついたアイデアですか?
元々「デジタルフィギュア」という領域に可能性を感じていて、今年の6月から関連する技術開発や表現の研究をしていました。
いろいろ試しているうちに「まだ誰もやったことない表現してみよう」と考え、アイデア出しをしている時に突如思いついたのが“フレキシブルディスプレイを表裏で2枚使用しカードに見立てたデジタルフィギュアカード”でした。
――こちらの投稿で作り方を紹介されていますが、もしもまったく準備ゼロの状態からこれを作ろうと思った場合、どれくらいのコストと時間がかかると思いますか?
使用した機材は、フレキシブルディスプレイ(1枚5万円)2枚と、レンダリング用のノートPC(投稿に使用しているPCは30万円ほどです)です。
そこに追加で、表示するコンテンツを作る必要があります。コンテンツは動画素材であればBlenderやCinema4D等で裏面用と表面用の2つの動画を作成し、それを裏面と表面同時に再生する形で対応できます。
リアルタイムでレンダリングする場合はゲームエンジンのUnityを使用するのが最も手軽かなと思います。Unreal Engineでもよいです。
制作時間については、作ってみようと考えてから動画公開まで2日程度で作れていますのでそこまで時間はかかっていません。3Dモデルを権利者よりお借りし、モデルに合わせて専用のモーションを作り、ソシャゲ風のUI(ユーザーインターフェイス)素材を取り込み、VFX(エフェクト)を実装した形です。
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――投稿への反響について、どのように受け止めていますか?
正直なところ、ここまで拡散されるとは思っておらずとてもびっくりしています。
もともと最新の技術やテクノロジーが好きなので、今回の投稿で「曲がるディスプレイがこの世にあり、それが数万程度で買える」ことを広く伝えることができたのはとてもよかったです!
フレキシブルディスプレイの意外な活用法を個人的にもっと見たいので、今回の投稿をきっかけに世界のいろんな場所でいろんなクリエイターがコンテンツを作ってくれることを願っています!
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YORIMIYAさんによると、ディスプレイの下部分はドライバーボードに有線でつながっていて、電源共有はUSB-C、映像はHDMIで送っているようです。
「無線化に関する話題も結構あったので、今後の人類の技術発展に期待しています」と話してくれたように、将来は無線で今回のような“動く”デジタルフィギュアカードが実現するかもしれませんね!