「ミイラが好きな女子高生の話」という漫画がSNSで話題になっています。
「ミイラが好きな女子高生の話」(全28枚)
作者は漫画家の岡部アズサさん。漫画制作の背景についてお話を伺いました。
ーーまず、今回の漫画がたくさんの人に読まれた感想をお願いします。
とても嬉しいです。
こんなにたくさんの人に読んでもらえるとは思ってもいなかったので驚きです。
やはりミイラには人を惹きつけるものがあるんですね。笑
ーー死生観や歴史観を扱っている作品だけに深い感想が多かったように思います。特に印象に残った感想はありますか?
篠田的な目線を持っている方は結構いて、そういう方に見方が変わったとか、この漫画は一つの答えだと思う。と仰っていただけたのはすごく印象的でした。
私自身、初めはミイラが好きな人の話ってなんだか面白そうと思い、描き始めたのですが、やはり彼ら(故人)を展示するという事の意義みたいなのをちゃんと考えて描かないといけない気がして、あやかの答えを導きだすために相当考えました。なので、そういう感想を頂けたのは本当に嬉しかったです。
また、自分は展示されたいですっと仰っていた方がいて、面白いなぁと思いました。笑
ーー恐竜や、動物ではなく「ミイラ」にスポットを当てたのはなぜですか?
「人間」だからですね。
ミイラそのものが好きというより、彼らがどんな所でどんな生活をしていたのか、どういう人間だったのかという事に惹かれたのです。
ーー「ミイラを面白いと思っているだけで良いのだろうか?」という視点 が生まれたきっかけはなんだったのでしょう?
この漫画を描くにあたり、ミイラの図鑑を読んだりしました。
とある本に、ミイラ(死者)の博物館での展示方法に疑問を感じているという、ある意味嘆きみたいな言葉が書かれていて、しかもそれがミイラを研究してる学者の言葉だったので、すごく面白いなと思ったのがきっかけです。
お話の展開的にもあやかとは対になるキャラクターが欲しかったので、篠田というキャラクターが生まれました。
ーーツイッターのプロフィール欄に「映画のような漫画を描きます。」と書かれているのを拝見しました。漫画に取り入れている 映画的要素 は例えばどんなものがありますか?
「構図」と「話し方」です。
「構図」は、映画的な構図が大好きなので、それはどんどん出していきたいですね。
「話し方」は、ある人が何かを話す時って、その人の口調、間、しぐさ、表情があって、同じ人はいないと思います。その生っぽさを自分の漫画の中でも表現していきたいと思っています。
ーー特に影響を受けた漫画家、映画監督をそれぞれ1名ずつ教えてください。
漫画家は高橋ツトムさんで、映画監督はドゥニ・ヴィルヌーブ監督です。
ーーこれから描きたいテーマはどんなものがありますか?
偏見や差別とどう向き合っていくか、何をしていくのかという事を描きたいと思ってます。