新元号発表、異様に静かだった新宿アルタ前

    新宿アルタの大型スクリーンの前には人だかりができた

    予定時間から10分遅れ、菅官房長官が会見場に姿を現わす。新宿アルタ前に集まった人々は、大型スクリーンに向けて一斉にスマートフォンをかざした。

    元号は令和

    菅長官が墨書を掲げたが、手話通訳のワイプに被り、漢字が読めない。「写真が撮れない」と、春休みの女子高生らしき集団から笑い声が一瞬上がる。

    ワイプが外れ「令和」の漢字が見える。集まった人たちから歓声が少しは上がると思っていたが、拍子抜けするほど静かだった。

    集まったメディアのカメラ、そして一般の人のスマホのシャッター音だけがカシャカシャとなり続ける。

    「令和」の発表から2分ほどたつと、写真を撮ったことで目的を果たしたのか、官房長官が喋る中、アルタ前から続々と人が去り始めた。

    歩きスマホの人も目立つ。撮り終えた写真をSNSにアップするか、新元号に対するネットの反応を見ているようだ。

    Twitterを見ると「アルタ前めっちゃ人いる」「アルタ前で実況中」とにぎやかで、静かな現実とは対照的だった。

    物理空間とサイバー空間が別の顔を見せ、スマホを媒介にしないと分かりづらい世界。

    新元号の発表の瞬間に見たのは、次なる令和時代の一端だったのかもしれない。