「ひよっこ」時子役・佐久間由衣が明かす有村架純のすごさ

    「ひよっこ」、現在出演中の「明日の約束」語る

    “時子”といった方がしっくりくるかもしれない。

    佐久間由衣。NHKの朝ドラ「ひよっこ」で主人公の親友役を演じるほか、「ゼクシィ」CMに出演。今、飛躍が期待される若手女優の一人だ。

    170センチの身長に、意思の強さを感じさせる眉。「凛々しい感じだとよく言われます」というが、実際に会った印象はおとなしく、やわらか。きついことがあっても自分を抑え、感情を表に出さないタイプという。

    2017年3月まで「ViVi」の専属モデルを務めたが、知名度を上げたのはやはり「ひよっこ」への出演。街中でも声をかけられることが増え、注目されていることは自覚している。

    現在の朝ドラは、2013年の「あまちゃん」でブレイクした有村架純を筆頭に、吉岡里帆、竹内涼真など主演以外からもスターを次々輩出している。

    当然、佐久間に対する周囲の期待も大きいはず…と思いきや、あははと笑いながら次のように話す。

    「プレッシャーはないです。期待はありがたく受け取ってます。(女優は)自分の意思でやらせてもらっているので、それを支えてくれる方に恵まれているのだと思います。自己反省はしていますが、プレッシャーを感じないようにしています」

    現在出演するドラマ「明日の約束」では物語の鍵を握る、ミステリアスな白井香澄を演じる。

    時子とは違う、感情を抑えた芝居。演じながら、もどかしさを感じることもあるが、楽しむことを心がけている。

    主演の井上真央の印象についてはこう答える。

    「2人でいるシーンが多いので、待ち時間はお話させていただいています。パワーのある方でチャーミング。いろんな人と分け隔てなく話している印象です。佇まいをずっと見ていたいと思う方」

    実は佐久間は2011年の朝ドラ「おひさま」から井上の大ファン。共演がひとつの夢だったが、想像以上に早く叶ってしまった。

    「役柄として井上さん演じる藍沢先生に強く当たっているシーンしかないので、井上さんの困った顔しかまだ見ていない。終わると、大好きだった人をこんなに困らせる役をやっているんだと落ち込みます(笑)」

    もう一人の朝ドラ女優、「ひよっこ」で共演した有村架純の印象も気になり、聞いてみた。

    「本当に支えてもらったので、本当に素晴らしい女優さん。友達でもありますが、尊敬がすごく大きくて。『ひよっこ』が終わった後でも彼女が出ている作品は欠かさず見させてもらっているのですが、すごく刺激というか元気、パワーををもらえますね。やっぱり架純ちゃんすごいです」

    では、佐久間が考える、有村のすごい部分というのはどこなのだろう。

    「そこは最後までずっとぶれずに思っていたのですが、ひよっこの現場では疲れた顔を一切見せず、みんなに『きのうちゃんと寝れた?』『ご飯たべてる?』とすごく気にかけてくれたり、相談にも真剣に向き合ってくれて。自分よりも人のことを考えていて、人を救う言葉を持っている。思いやりにあふれていて、知れば知るほど好きになる方」

    有村だけでなく、ベテランたちに囲まれた「ひよっこ」は女優としての力をつける場ともなった。母親役を演じた羽田美智子はテレビ番組で佐久間の女優としての成長を褒めている。

    自身で成長を感じた場面と挙げたのは時子にとってはドラマ最大の見せ場といえるツイッギーコンテスト。

    女性出演者たちを前に「日本中の、世界中の女の子たち、女性たち、いろいろ大変だよね。女として生きていくのは。でも、女の子の未来は私に任せて。みんな私についてきて」とスピーチするシーンは、時子にとって一番の見せ場だ。

    「台本をいただいたとき、今までのシーンの中で一番大変になると思って。まずシナリオを用意してもらえた喜びが一番にあって、用意していただいたからには、出来る事をしたいと思ったので、気合いがすごく入った。そこからはほぼ、役と自分が合致して、自分と重なった瞬間がありました」

    つかんだ自信、感覚はあるが、そのまま現在出演するドラマで生かせるとは考えていない。

    「時子として生きてきたことは心の中にはあるんですけど、それとは全く別のものなので。まったくゼロからです。階段を上っているようで、また違う階段を上っている感じがするので、なんだか不思議な感覚です」

    背伸びはせず、着実に目標を一つひとつクリアする。階段を一歩一歩上るように。

    目指す女優像を聞かれると「それ、よく聞かれるんですよ」と困り顔になりながら、こう答えた。

    「具体的なことがあまり言えないのですが、求められることにちゃんと応えられる人でありたい」

    BuzzFeed JapanNews