<全文掲載>NGT48山口真帆さん、悲痛な卒業発表「私には人の命より大切なものが何かはわかりません」

    暴行被害を受けた山口真帆さんが101日ぶりに公演に復帰。アンコール後にグループからの卒業を発表した。

    アイドルグループ「NGT48」のチームGが4月21日、NGT48劇場で千秋楽公演を開き、暴行被害を受けた山口真帆さんが101日ぶりに公演に復帰。アンコール後にグループからの卒業を発表した。

    アンコール後のMCで「ちょっと待ってください」と声を上げた山口さんは、涙ながらにNGTからの卒業、そして現在の心境を語った。

    <山口真帆さん卒業発表全文>

    私、山口真帆はNGT48を卒業します。

    今日はちゃんと紙に書いてきたので、皆さんへ今まで黙っていた思いを言いたいと思います。

    私はアイドル、そしてこのグループが大好きでした。

    だからこそ、このグループに変わってほしかったし、自分が辛かったからこそ、大切な仲間たちに同じ思いをしてほしくないと、すべてを捨てる覚悟でとった行動でした。

    事件のことを発信した際、社長には「不起訴になった。イコール事件じゃないってことだ」と言われ、そして今は会社を攻撃する加害者だとまで言われていますが、ただメンバーを守りたい、真面目に活動したい。

    健全なアイドル活動ができる場所であってほしかっただけで、何をしても不毛なこのグループに…...。

    もうここには私がアイドルができる居場所はなくなってしまいました。

    目を逸らしてはいけない問題に対して、逸らさないなら辞めろ。新生NGT48を始められないというのが、このグループの答えでした。

    だけどこの環境を変えなければ、また同じことが繰り返されると思い、今日までずっと耐えて、最善を尽くしましたが、私にできたことはほんのわずかなことでした。

    私には人の命より大切なものが何かはわかりません。大切な仲間たちが安全にアイドルが毎日になってほしいと、心から願っています。

    そして、私がこうして世間に発信してからも、寄り添ってくれたのは(長谷川)玲奈と(菅原りこ)と、もふ(村雲颯香)でした。

    みんなの今後が決まったら、この発表をすると決めていました。

    今の私にNGT48のためにできることは卒業しかありません。ファンの皆様には本当に申し訳ないと思っています。

    たくさんの方が応援してくれて、私のもとには同じような被害に遭った方からメッセージが寄せられ、私を見て勇気や元気が出たとおっしゃってくださった方もいました。

    ですが、結果的にこのような形になってしまったことは、その方の希望もなくしてしまったのではないかと、とても申し訳ない気持ちでいっぱいです。

    正しいことをしている人が報われない世の中でも、正しいことをしている人が損をしてしまう世の中ではあってはいけないと私は思います。

    たくさんの方が私のために自分の時間を削って、私のことを支えてくれました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

    今後は皆さん、ご自身のために楽しいことに時間を使い、幸せになってほしいです。

    皆さんが私に幸せになってほしいと願ってくれたように、私もそう願っています。

    そして私を支えてくださったファンの皆さん、このような形で卒業することになってしまい、本当に申し訳ありません。

    以前のように歌って踊って、毎週のように握手会があって、お互いに「またね」って言い合いたいのですが、5月5日、6日の握手会で最後になります。

    今までお休みをさせていただいた握手会もそこで振替をさせていただきます。

    そこで「またね」の続きができたら嬉しいと思います。そこでは一緒に夢の話もしましょう。

    そして、最終活動日は玲奈とりこと一緒に、5月18日の卒業公演になります。

    怪我で今日の公演に出られなかったりこと、リハビリを頑張って、またステージに笑顔で、今後は夢に向かって歩いていく姿を見せられたら嬉しいです。

    私はこれからできることは今の苦しい姿ではなくて、笑顔で幸せな姿を見せて、皆さんに元気を与えることだと思います。

    皆さんが私を助けてくれたように、私も困っている人に手を差し伸べられる人でありたいなと思います。

    一人の人として、また皆さんに愛してもらえるように頑張ります。

    そして今回のことで私は、NGT48にならなきゃよかったんじゃないかって思うこともありました。

    だけど、こうしてみんなとステージに立って、みんなで公演をして、ファンの方に声援をいただいて、メンバーのみんなやファンの皆さんと、出会えたことが幸せです。

    NGT48になってよかったと思います。

    メンバーのみんなにも、ファンの皆さんにも、これからの人生まっすぐ生きて、みんなには(ステージに)上がっていてほしいなと思います。

    残り1か月もありませんが、最後まで一人の人としても、NGT48として、皆さんに笑顔でお会いできたら嬉しいなと思います。

    あと少しの間ですが、どうぞよろしくお願いします。


    千秋楽公演では山口さんだけでなく、事件以後彼女を支えたと名前の上がった長谷川玲奈さんと菅原りこさんの卒業も発表された。

    山口さんが「SHOWROOM」で涙ながらに被害を告白してから3か月。

    NGT48の運営を行うAKSは、山口さんの精神的ケアをスタッフ一同で行っていくと発表していたが、山口さんの言葉からは、信頼を回復するどころか、より不信感を強めていたことがわかる。

    グループを解体し、新生NGT48として再出発することで、ファンや地元新潟の信頼を回復したかった運営サイドだが、より不信感を強める結果となった。

    困難に見えた仕切り直しの道はより深い闇へと沈み、その底はまだ見えない。