「演技派女優」として注目浴びる竹内結子 映画「クリーピー」で主婦、大河では10代の茶々を好演

    黒沢清監督も絶賛

    女優・竹内結子が「演技派女優」として注目を集めている。現在公開中の映画「クリーピー 偽りの隣人」(黒沢清監督)で、これまで竹内の演技に触れてこなかった映画ファンをうならせているのだ。


    黒沢清監督も舌を巻く完璧な演技

    竹内は1999年に放送されたNHK連続テレビ小説「あすか」に主演しブレーク。以後は「白い影」など数々のドラマで美貌を生かしたヒロイン役を演じてきた。


    2010年には西島秀俊と共演したドラマ「ストロベリーナイト」の主人公・姫川玲子役の強い女性像も印象的だったが、これまで演技派との評価はあまりなかった。


    今回の映画で初めて竹内を起用した黒沢監督も「見た目が美しいのでごまかされてしまう。演技派のイメージがなかった」という。


    だが、実際に竹内の芝居を見て驚かされた。


    竹内が演じたのは西島秀俊演じる主人公の妻、康子。普通の主婦だった彼女が、香川演じる謎の隣人に翻弄され、心を徐々に壊されていく。


    脚本には細かい変化は書かれていなかったが、自らプランを練り、撮影現場では的確で完璧な演技を続けた。


    黒沢監督は竹内について「本当に演技派。計算しているところはまるで見せないけど、相当プランを練って、冷静に演技をしていた。」と賛辞を惜しまない。


    映画を見た人すべてに強烈な印象を与えるラストの絶叫シーンも、監督から細かな指導はなく、竹内自らが考え出したもの。


    カットをかけた後に「こんな感じですか?」とけろっとした顔をしていたのにも驚かされたという。


    大河ドラマ「真田丸」茶々も好演

    竹内はテレビドラマでも印象的な演技を見せている。大河ドラマ「真田丸」での茶々(淀君)役だ。


    三谷幸喜脚本の今ドラマで描かれる茶々は、真田信繁など男性陣を翻弄する小悪魔系。現在36歳の竹内だが、天真爛漫な10代の茶々に見事になりきり、ネット上では「かわいい」「華がある」と声が上がる。


    26日に放送された第25話では、常に笑顔を絶やさなかった茶々が、愛児・鶴松を病気で失い、慟哭する場面が多くの視聴者の胸を打った。


    ドラマウォッチャーの北川昌弘氏は「茶々=淀君の役の山場は、大阪冬の陣が描かれるドラマ後半。竹内の起用はそこでの活躍を見越してのものだろうし、今後の演技がさらに楽しみです」と期待する。


    役者として新たな一面を見せる"演技派"竹内結子に今後も注目だ。