【訃報】漫画家の高井研一郎さん死去「総務部総務課山口六平太」やイヤミ、チビ太らの生みの親

    亡くなる3日前までネーム描いていた


    漫画家の高井研一郎さんが11月14日、肺炎のため調布市内の病院で亡くなった。79歳だった。

    高井さんは1956年に雑誌「少女」掲載の「リコちゃん」で漫画家デビュー。

    1986年からは小学館の漫画誌「ビッグコミック」にて、自動車会社の総務部総務課を舞台に、一見うだつは上がらないが実は"スーパー総務マン"山口六平太の日常を描く「総務部総務課山口六平太」を連載。

    人情味あふれる内容で人気を呼び、テレビドラマ化やアニメ化もされた。

    小学館の広報によれば、11月10日に発売された「ビッグコミック」11月25日号の「山口六平太」が最後の作品。「単行本は現在79巻まで発売されており、11月30日に80巻が出ます」という。

    イヤミ、チビ太ら人気キャラの生みの親

    高井さんは赤塚不二夫さんの代表作品「おそ松くん」が連載する際に共同執筆者として名を連ねている。

    もともと赤塚さんと友人だった高井さん。当初は読み切り4回ということで手伝っていたが

    「3週目をやっているときに気がついてさ。こりゃダメだ。4回で終わるとは思えない。面白いのができちゃってる」(ビッグコミック8・20号「赤塚不二夫生誕80年記念&アニメ『おそ松さん』大ヒット記念特別鼎談)。

    結局、1970年まで赤塚さんの「フジオ・プロダクション」で作画チーフを務めることになった。

    作品に登場するチビ太や、デカパン、ハタ坊、そして人気キャラのイヤミも高井さんのデザインだ。


    イヤミの「シェー」も、赤塚さんと高井さんが夜中ずっと一緒にポーズを考えた共同作品だった。

    高井さんの高校の後輩で、漫画「築地魚河岸三代目」の原案などを手がけた鍋島雅治さんは14日にFacebookで「本日、11時59分に漫画家の高井研一郎先生が亡くなられました。ボクが病室に駆けつけたときは12時10分でした」と報告。

    高井さんは3日前までネームを描き続けていたといい、「最期までカッコいいじぃさんでした。憧れでした」と現役漫画家であり続けた先輩の死を悼んだ。