リイド社が制作した漫画「鬼平犯科帳」25周年の記念ポスターが「斜め上過ぎる」「考えたやつ天才」とSNSで話題を呼んでいます。

ポスターは少女漫画風、BL漫画風、ラノベ風など全6種類。『鬼平犯科帳』を題材にした遊び心いっぱいの表現が何とも楽しいです。

出版元であるリイド社の企画担当者はBuzzFeed Japanの取材に対し「50、60、70代が主な読者層となっている劇画『鬼平犯科帳』を、連載25周年という節目を機に『鬼平』を知らない新たな年代に広めよう、という意図で始めました」と企画意図について答えます。

今回の企画では、これまで小説や漫画で鬼平で触れてこなかった層をターゲットとしており「現読者層向けの、どちらかと言えばいささか固めな宣伝方法とは真逆を狙うことにしました」。その狙い通り、SNSの若いユーザーに刺さりました。

実はこの企画。元々はYouTubeに現在アップされている鬼平トリビアを集めた動画「鬼へえ」がメーンでした。
YouTubeでこの動画を見る
「不倫は死刑」「当時の取調はほぼ拷問で、顔に人糞を垂らす拷問"糞問"もあった」などの情報がたっぷり入っている。
さらに書店でも非読者層へ訴えかけるべくポスターを制作。このポスターがネットで大きくバズりました。

「非読者層の興味をひくために、あえてこれまでなら絶対に採用しない真逆のテーマ、つまり、少女マンガやラノベなどというひとつ間違ったら原作者様やさいとう先生のお叱りをうけかねないデザインのパロディで作成するという、正直弊社にとっては冒険的なことに挑戦してみた次第です」

ところで漫画版の鬼平を描いているのは『ゴルゴ13』で知られる、さいとう・たかを先生。怒られはしなかったのでしょうか?

「幸いなことに、今回の企画趣旨をご説明させていただいた段階からさいとう先生からは面白いというお言葉をいただき、むしろ積極的に後押しをいただいておりました」
「ポスターの図案も初めてご覧いただく時には非常に緊張したものですが、笑ってご許諾いただけました」
さすが大御所。心の広さが違います。
原作の池波正太郎さんの著作権を管理する「オフィス池波」の石塚晃都社長もポスターを「面白がっていただいております」(担当者)とのこと。
みなさん、安心してちょっと変わった長谷川平蔵を楽しんでください。