乃木坂ライブの事故で負傷者 前の席にいたファンが当時を語る

    「一歩間違えていたらと思うとゾッとします」

    11月7日夜、東京ドームで開催されたアイドルグループ「乃木坂46」のライブ中、撮影用に設置されたワイヤで上空に吊るされたカメラが落下し、約6メートル下のアリーナ席に落下する事故があり、ファン3人が軽傷を負った。

    BuzzFeed Newsはカメラが落下した前の席にいたファンのAさん、少し離れた場所にいたBさんに事故直後の様子を聞いた。

    落下した直後、周辺は「唖然」

    カメラが落下したのはアリーナ席。時間は午後8時ごろ、ステージではメンバーが「命は美しい」のパフォーマンスをする中でのことだった。

    「後ろでドンッと音がしたので人が倒れたと思い、振り返るとカメラでした」(Aさん)

    一方、落下現場から20メートルほど離れた場所にいたBさんには、落下した際の音は聞こえなかったという。

    「カメラが落ちた音はまったく聞こえませんでしたが、落ちたんじゃないかと気になってました。すぐには何も起こらず、1分後くらいたつと落ちた場所の端の人がスタッフに声をかけに来て、そこからスタッフが集合し、大事になってました」

    カメラはパイプ椅子5脚ほどの大きさだったといい、共同通信などによれば重さは約40キロ。

    上空から落ちたがバラバラにはなっておらず、椅子の上にカメラが載っていたという。

    Aさん、Bさんが撮影した写真ではパイプ椅子の背もたれ部分が大きく歪んでおり、衝撃の大きさがわかる。

    幸いにも、カメラはファンの足に当たったものの、軽傷で済んだ。

    Aさんによれば落下した後、周辺は「唖然としていました」。カメラは運営側の5〜6人が撤去した。

    負傷したうち、かすり傷だった2人のファンはそのままライブを観戦していた。

    Bさんによれば、1人は「アンコール前の映像が流れている時に、ケガした人が車椅子で運ばれて行った」という。

    カメラが落ちたことで周辺にいたファンもざわついたが「運営の方々が色々と対応終えて、その後軽傷者のみとわかってからは楽しみました」(Aさん)。

    ライブ終了後、落下事故に対するアナウンスは特になかった。

    Aさんは現在の心境について次のように語っている。

    「まず一番はみなさんが無事で良かった。そして一歩間違えていたらと思うとゾッとします」

    「終了直後にアナウンスもなく、冷静になって考えると、下世話なことだとはと思いますが、あの付近にいた方々は数十分間ライブを中断されたのと同じ状態だったので、それなりの対応されても良いのでは」

    事故から1夜あけた8日、乃木坂46の公式サイトは事故に対する謝罪文を掲載した。

    サイトでは「事故にあわれた方には、心よりお詫び申し上げます。また、日頃より、乃木坂46を応援していただいている皆様には ご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」とファンに謝罪。

    8日に開催された東京ドームでのライブでは、落下したものと同型のカメラを使用しないことも発表した。

    乃木坂46を運営する「乃木坂合同株式会社」は取材に対し、事故があった7日の時点で「警察にもご連絡し、捜査もありました」と回答。負傷したファンに対しても関係者が謝罪したと明かした。

    また落下事故はライブ中で暗かったこともあり、乃木坂メンバーに動揺などはなかったという。

    ライブ終了後すぐに事故のアナウンスがなかったことで、ネット上の一部で「事故の隠蔽」とされていることについては、明確に否定した。

    また今回の乃木坂のライブの制作に携わった「Zeppライブ」は取材に対し、事故の詳細については現時点では調査中と説明。

    ワイヤカメラが落下する事故については「Zeppライブが関わったライブではこれまで起こったことはなく、今回が初めて」と回答している。

    BuzzFeed JapanNews