ニノ相棒役で注目浴びる"猫ちゃん" 思わぬ反響に驚き

    独特の存在感を見せる役がSNSで反響を呼んでいる。

    日曜劇場「ブラックペアン」(TBS系)で天才外科医・渡海征司郎の相棒といえる看護師、”猫ちゃん”こと猫田麻里を演じている趣里さんが注目を浴びている。

    嵐・二宮和也さん演じる渡海のダークヒーローぶりが「悪ニノ」と話題の今作だが、猫田は渡海とコミュニケーションを取れる数少ない人物。

    出番はけして多くないものの、二宮、内野聖陽、竹内涼真など有名キャストの中でも異色の存在感を放ち「猫ちゃん最高」「いい味出してるわぁ」などSNSでも反響も大きい。

    BuzzFeed Newsは趣里さんに現在の心境、猫田というキャラへの思いを聞いた。

    監督からは「猫田は嫌な奴だから」

    −−演じる猫田が評判ですが、率直な感想を教えてください。

    嬉しいです。今までお仕事で関わった方が「見てるよ」とLINEを送ってくださったり、いいねと言ってくださってます。決してメインのキャラクターではないので、反響には驚きもあります。

    Twitterへのコメントもありがたいことに増えました。「猫ちゃん」と呼んでくれて、「今日もすごく良かったです」という言葉をいただいてすごく嬉しいです。

    長年見てくれるファンからは「いつもの趣里ちゃんじゃない別人みたいでした」と言われて、役者冥利というか、やったぞと思いました。

    −−演じる猫田麻里はクールで個性的なキャラですが、趣里さんはどの辺を重視して演じていますか。

    一見変わったキャラクターですけど、看護師は人の命を助ける仕事なので、そこはしっかり責任感を持ってやらないといけない。

    正義感は必ずある役だと思います。

    セリフがないぶん、目の演技であったり、何を考えているか、言葉で描かれてない部分をどう表現するかを考えています。

    過去はどういう子だったろうとか描かれていない部分を想像しながら演じています。

    もし近くにいたら友達にはなりたくないタイプです(笑)。怖いですよね、あんなに睨まれて。

    福澤克雄監督には「猫田は嫌な奴だから」と言われていたので、結構そこは振り切ってやっています。

    −−猫田を演じていて難しい点はどこですか。

    猫田は上の人に反抗的な態度をとるんですけど、どれくらいまでやったらいいのかは探ってます。

    実際にやったらクビだと思うんですけど、猫田は明確な技術を持っているから、病院から辞めさせられることはない。

    そこの技術の説得力は必ず持たせないといけないので、医療指導の先生たちを観察して、日々学んでいます。

    手術のシーンは先生によって持つ手が違うんです。世良先生(竹内涼真)は左利きだからこっちから器具を出すとか、次はこうするからメッツェンを渡すとか。

    そういうところまで頭が回るようなオペ室看護師感を目指しています。

    二宮さんのアドリブで一瞬時が止まる

    −−ドラマの見どころとなっているのが渡海と猫田の信頼関係です。2人の関係についてはどう考えていますか。

    群れないもの同士、通じる部分はあるんですけど、それは絶対しゃべってはいないと思うんです。

    単純に技術を認め合っている。一番信頼しているので、あの手術での連携プレーができている。

    あと「上の人たちってどうなの、これ」と渡海先生とは違う部分をと猫田は猫田で考えていると思うんです。

    原作シリーズでは、猫田が東城大学医学部付属病院にこの後も居続けるということももちろん念頭にあります。

    猫田は渡海先生だったり、誰かの影響ではなく、自分の考えがあってこういう行動をしていると思っています。

    −−渡海を演じる二宮さんの印象はどうでしょうか。

    昔から映画、ドラマと作品を拝見していて、手術のシーンでアドリブでの一言にドキッとさせられ、本当に天才だと日々感じてます。

    自然体でいつ二宮さんから渡海先生にスイッチが入ったのかわからないくらいナチュラルにお芝居されていて、すごいなって。

    共演について、最初はプレッシャーだなと思ったんですけど、現場の雰囲気がとてもいいので徐々に解消されて、今は会話するように手術の器械出しだったりができているのかなと思います。

    −−二宮さんはアドリブも飛び出ているそうですね。

    竹内くん演じる世良先生の胸元を突いて、血の手形をつけるシーン(初回ラスト)はやっぱり衝撃でしたね。

    私は現場にはいませんでしたが(3話で)「この中にお医者さまはいませんか」とアドリブで言ったと内村遥さんから聞いて、そんな使い方あったんだと思って、怖くて震えました(笑)。

    内村さんもその時は「誰も何にも言えなかった」と言っていて、そうだよなと思いました。アドリブで一瞬、現場の空気が止まる瞬間があります。

    私自身はビビリなんで、アドリブはしないんです。その自由さを羨ましいなと思いながらも、いざ本番になったら、絶対にしないです(笑)。

    −−初となる福澤組の雰囲気についてはどうですか。

    撮影のテンポやスタッフさん一人ひとりに勢いがあって、その時その時に反応し合って、会話のようにシーンが積み上がっていいます。

    スピード感、今を生きている感があります。演じている方としても頭だけでなく、その時その時を楽しんで反応するのがお芝居って大事だなと改めて思いました。

    やっぱり猫派?

    −−猫田は役名通り、猫っぽいキャラだと思うのですが、趣里さん自身はよく猫っぽいと言われますか。

    内野(聖陽)さんはずっと「猫みたいだね」と言ってくだされるんですけど、以前は映画の編集の方に「チワワに見えて仕方ない」と、犬っぽいと言われることが多かったです。

    猫は飼っているのですが、犬の可愛いさも知っているのでどちらかは選べないですね。

    −−趣里さんの普段の性格は猫田には似ているんですか。

    マネージャー:それはないですね。それこそ犬っぽい。人懐っこいです。

    趣里:ただ一人も好きで、バーベキューとかは人生でしたことがないです(笑)。パーティーとかは苦手なんですけど、人は好きです。

    −−最後にドラマ、そして自身の演技についてここを見てほしいというものを教えてください。

    これからいろいろな過去がだんだん明らかになってくるので、まずはドラマ全体を見てほしいです。猫田としても美和ちゃん(葵わかな)との関係も変化していきます。

    あと基本的には気持ちの変化なのでわからないと思うんですけど「世良くん成長してるな」とか「高階先生やるな」というのが猫田にも芽生えている。

    自分が猫田だったらそう思うんだろうと想像して演じていますので、そこも注目してください。