プロ野球・西武ライオンズの森慎二投手コーチが多臓器不全のためにこの日の午後、福岡市内の病院で死去した。42歳だった。
森さんは6月25日、ヤフオクドームで開催されたソフトバンクとの3連戦にはチームに同行していたが、その後体調不良を訴え、27日には球団が休養を発表していた。
選手には28日に沖縄で開催されたロッテ戦の試合終了後に訃報が伝えられた。
文化放送ライオンズナイターを担当する片山真人アナは、関係者に聞いた話として、23日の試合後の森さんの手が震ええていたと伝えた。
森さんは1996年にドラフト2位で西武に入団。150キロの豪速球とフォークを武器に、入団1年目から中継ぎ、抑えと救援投手として活躍し、2002年、2003年には最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得。9年間で44勝44敗50セーブを挙げた。
2005年オフにはポスティングシステムを使って米大リーグ・デビルレイズに移籍したものの、右肩痛の影響でメジャーのマウンドに立つことはなかった。
帰国し2009年からはBCリーグ・石川ミリオンスターズの選手兼投手コーチに就任。2015年からは西武の二軍コーチに。2016年5月からは一軍コーチに昇格していた。
休養発表の翌日というあまりに突然すぎる悲しい知らせ。SNS上には悲しみの声が広がっている。
文化放送でライオンズナイターを担当する松島茂アナは「言葉がありません」
ファンはこの間までは元気に投げている姿をアップ。
元横浜の古木克明さん「嘘だ。嘘だ」
元西武の岡本篤志さんは「驚きのあまりなにも言えません」
ファンも「早すぎるだろ...」
森さんのおかげで変わったとファンの間でいわれるのが西武・大石達也投手だ。
2010年のドラウトで、6球団競合入札の末に西武入りを果たした大石だが、プロ入り後は活躍できず。150 キロをマークしたストレートは、130キロ前半まで落ちていた。
しかし2015年に当時、二軍投手コーチだった森さんから体重移動のアドバイスを受け、ストレートは140キロ中盤まで回復。さらに森さんが得意としたフォークも伝授された。
昨シーズンは中継ぎとして36試合に投げ、防御率1.71。今シーズンは11試合を投げ、防御率0.00をキープしている。
森さんが亡くなった28日のロッテ戦。西武は破れてしまったが、大石は現役時代の森さんがそうであったように、1回を三者凡退に抑え、セットアッパーとしての役目を果たした。