ジブリ鈴木敏夫P、悩んで決めた宮崎駿の長編復帰「僕の老後はなくなる」

    米国イベントのトークショーで明言。

    長編アニメ映画製作から引退を表明した宮崎駿監督が新作長編の準備に入ったと、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが現地時間2月23日、アメリカで開催された「OSCAR WEEK: ANIMATED FEATURES」のトークショーの中で明らかにした。

    宮崎さんは2013年9月に会見を開き、長編映画の製作から引退すると話していた。

    しかし、鈴木氏はイベントで「引退宣言をして3年半。僕は引退会見の横にいてうれしかったんですよ。これからは僕は自分の人生を生きようと。ところが現役に復帰したいと言い出すまで1年を要さなかったですね」と告白した。

    アカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされている「レッドタートル ある島の物語」も宮崎監督の復帰に関係している、とも明かした。

    同作はスタジオジブリでシナリオや絵コンテ作業が行われたが「彼(宮崎)は何度も作品を気にしていた。ジブリで自分以外が作品を作るのが嫌だったんでしょうね」という。

    そして、「最後、簡単に言います」と語った後、こう述べた。

    「忘れもしません。去年の7月1日、彼が僕のところに長編の企画書を持ってきました。彼が言い出したのは『20分のストーリーボードを描くから、鈴木さん、面白いかどうか判断してくれ』と」

    「去年の暮れ、僕はそれを読みました。僕、すごく悩んだんです。ものすごく悩んだんです。内容は面白かったんです。面白かったけど、ここで面白いといえば僕の老後はなくなってしまう」

    冗談交じりにそう語ったが、最後には、この企画を進めると決意したという。

    「心を鬼にして『面白い』と本人に向かって言いました。今も一生懸命、東京で作っています」

    宮崎監督の長編アニメ製作は、2013年公開の映画「風立ちぬ」以来となる。