宮内庁と堺市は10月15日、同市堺区にある日本最大の前方後円墳「大山古墳」(仁徳天皇陵)について、今月下旬から共同で発掘すると発表した。毎日新聞などが伝えた。
時事通信によれば今回の調査は、堤内の遺構や遺物の残存状況を確認し、今後予定される墳丘の保全工事に向けた基礎資料を収集するのが目的という。
歴代天皇や皇族の陵墓を宮内庁が外部機関と共同で発掘するのは初めてとなる。
歴史、考古学クラスタはこのニュースに興奮。
萌える人。
発掘箇所が一部であることを指摘する人もいた。
そもそも大山古墳(仁徳天皇陵)って何?
大阪観光案内公式サイトによれば、大山古墳は、全長約486mの日本最大の前方後円墳。墳丘を三重の堀が囲んでいる。
漫画「キン肉マン」に重要な役割で登場したこともある。
堺市のホームページではエジプト「クフ王のピラミッド」、中国「秦の始皇帝陵」と並び、世界三大墳墓とされているが、世界的にそう言われているわけではない。
呼び名がとにかく多い古墳
ここまで記事では大山古墳(仁徳天皇陵)と書いてきたが、この古墳、とにかく呼び名が多い。
「大山古墳」、「仁徳天皇陵」以外にも「大仙古墳」「大仙陵古墳」「伝仁徳陵古墳」「仁徳陵」。地元では親しみを込めて「仁徳さん」と呼ばれることもある。
宮内庁での呼称は「仁徳天皇 百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)」と平安時代中期に編纂された「延喜式」が記す名となっている。
同庁では第16代仁徳天皇の陵墓に治定・管理しているが、学術的、考古学的に立証されているわけではない。
このため考古学会などは、被葬者が誰か確定していないのに誤解を生むとして、通常の遺跡と同様、所在地名に由来する「大山古墳」とするよう求めており、教科書でも「大山古墳」「大仙古墳」と書かれていることが多い。
なお今後、別の部分や墳丘本体の裾部分の発掘も検討しており、考古学ファンの夢も広がっている。