【リオ五輪】キレッキレダンスで話題の重量挙げ選手、笑顔の裏にあった思いが泣ける

    故郷の危機を知ってほしい

    リオ五輪に出場したキリバスの重量挙げ選手デビッド・カトアタウさんの試技後に見せるキレッキレのダンスが話題です。

    バーベルを持ち上げるのに成功しても、失敗しても

    レッツ、ダンス!

    キレキレだぜ

    フォー

    安心してください、はいてます

    ダンスは2014年のコモンウェルズゲーム(イギリス連邦に属する国や地域が参加し4年ごとに行われる競技大会)で優勝して以来、彼のトレードマークとなっています。

    開会式ではキリバスの旗手も務めましたが、この時も踊りまくってソーシャルメディアで話題となっていました。

    カトアタウさんの笑顔と明るいダンスの裏には、キリバスへの切実な思いがありました。

    故郷である太平洋の島国キリバスは、海面水位の上昇により水没の危機に瀕しています。

    平均海抜はわずか2m。温暖化による海面上昇で、2050年には首都タワラの8割が水没すると予想されています。

    海面上昇により飲料水や耕作地が海水で汚染。気候変動の対策に国家予算が回され、教育や保健・医療などの公共サービスに十分なお金が行き届きません。

    ロイター通信の取材に対し、カトアタウさんは公開書簡を昨年コモンウェルズ連盟に配布。海面上昇で故郷が失われる事実を各国に訴えたことを明かしました。

    「多くの人はキリバスのことを知らない。重量挙げを通してもっと僕たちについて知ってほしい」

    カトアタウさんは、その思いを胸にバーベルを挙げ、そして笑顔で踊り続けます。リオ五輪では17人中14位。次の目標は2018年のコモンウェルズゲームです。