「魔曲」が甲子園の魔物も操る!
選抜高校野球の準決勝、智弁和歌山(和歌山)は東海大相模(神奈川)と対戦し延長10回、12-10で勝利。最大5点差からの逆転勝利を飾った。
熱戦もさることながら、智弁和歌山の逆転劇を生んだ魔曲「ジョックロック」がネット上では話題となり、Twitterではトレンド入りを果たした。
「ジョックロック」とは?
「ジョックロック」はもともとヤマハがキーボートユーザー向けに配布していたMIDI音源。この曲を智弁和歌山の吹奏楽部顧問、吉本英治さんがアップテンポの応援歌として編曲した。
2000年夏の甲子園の応援で使用されると、この年智弁和歌山は2度目となる甲子園優勝を成し遂げる。
以後、この曲が流れると不思議と大量点や逆転劇が生まれることから、高校野球ファンの間で「魔曲」と呼ばれるようになった。
吉本さんは曲の効果について「不安な気持ちにさせるというのはあるでしょう。短いフレーズを繰り返し繰り返し奏でることで感覚がまひしてくるのかも」と東京スポーツのインタビューで答えている。
魔曲ぶりが発揮された準決勝
この試合でも、「ジョックロック」の魔曲ぶりは健在だった。
1回裏、東海大相模に4点を奪われた智弁和歌山だが、2点差の4回表にジョックロックが流れると、この回3点を挙げ、逆転する。
しかし、相手は優勝候補の東海大相模。5回裏に2点、6回裏に4点を入れて5点差と突き放す。
智弁和歌山は7回表に1点を返し、4点差とした8回表の攻撃。1死1塁の場面で、再びスタンドからは「ジョック・ロック」が流れる。
すると智弁和歌山のバッターたちは一気に4点を挙げてついに同点に。その間、魔曲は流れた。
あまりの効果に驚きの声がTwitterで上がる
互いに死力を尽くした試合はついに延長戦へ。
延長10回表、無死1塁の場面で、スタンドからは三度「ジョックロック」が流れる。
1死2、3塁の場面で5番・冨田泰生が犠飛で1点、続く黒川史陽もタイムリーを放ち2点を挙げた。
10回裏もエース平田龍輝が抑え、12-10で壮絶な乱打戦を制した。
SNS上では「ジョックロック」が流れる中の智弁和歌山は別物との声が上がる。
この日の得点はほぼ「ジョックロック」が流れる中で挙げたもの。魔曲が新たな伝説を作った試合だった。
智弁和歌山の春の決勝進出は2000年以来18年ぶり。この年の夏大会で「ジョック・ロック」は生まれ、甲子園を制覇している。このため、春の甲子園決勝で智弁和歌山が魔曲と共に戦うのは初となる。
頂点を争う試合でも"魔曲"は、甲子園の魔物すら操るのか。目だけでなく耳でも楽しめる決勝となりそうだ。