現在放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』。番組平均視聴率が2週連続で1桁台を記録したことで、各メディアは内容よりも視聴率についての記事を書くことが増えています。
そんな中、女性週刊誌『女性自身』のウェブサイトは2月20日、<いだてん 秘策はチコちゃん!低迷V字回復案として白羽の矢>と報じました。
この記事は19日発売の同誌に掲載された<中村勘九郎 視聴率1桁苦境『いだてん』の救世主はチコちゃん!?>との記事を、見出しを変えてそのまま掲載したものです。
記事ではドラマ関係者の話として、NHKが『いだてん』の視聴率低迷の打開策に「『あまちゃん』で人気だった小泉今日子さんの登場場面を増やすことを考えています」と書かれています。
さらに記事では、番組関係者の話として、NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』を起爆剤に利用する案も出ているとして、次のように報じられています。
「正月放送の特番では、阿部さん、綾瀬はるかさん(33)らが出演しましたが、勘九郎さんはVTR出演のみ。そこで、今度は勘九郎さん本人を出演させてチコちゃんに存分に叱ってもらおうと、スケジュールを調整している最中です。さらに『いだてん』本編にも岡村隆史さん(48)やチコちゃんの声を務める木村祐一さん(56)が役者としてサプライズ出演する案も浮上しています」
この『女性自身』の記事はYahoo!ニュースにも配信され、インターネット上で大きな影響力をもつ「ヤフートピックス」にも取り上げられました。
しかし、この記事に対して「いだてん」の演出家の一人である大根仁さんは、記事がヤフートピックスに掲載された直後に次のようにツイートしています。
「これ全部デタラメ。女性自身さん、閲覧数稼ぎとはいえ、テキトーなこと書いてると足元すくわれますよ!(ドラマ関係者w)」
昨今、報道に対して当事者が否定のコメントをSNS上で出すことは増えています。一方「全部デタラメ」という強い口調での否定だけに気になりました。
そこで記者はNHKの広報部に対し、次のような問い合わせをしました。
- Q1:大根仁さんのツイッター発言にあったように、女性自身の記事は完全にデタラメなのでしょうか? それとも記事中に今後の施策として挙げられたものの中に一部事実、もしくは実現の可能性のあるものも含まれているのでしょうか。
- Q2:一部事実、もしくは今後実現の可能性のある施策が含まれている場合はその部分を教えていただけますと幸いです。
- Q3:今回の報道に対し、具体的に何か対処などは今後行う予定でしょうか。
後日、NHK広報局により回答が返ってきました。
回答は非常にシンプルで「記事に掲載されたような事実はありません」とだけ書かれていました。
NHKも大根さんと同じく記事の内容を否定していることは分かりました。
では女性自身の見解は...
一方、報道した「女性自身」は記事を否定されたことについて、どう考えているのでしょうか。
「女性自身」編集部に問い合わせると、記事を担当した編集者は次のように回答しました。
「記事に書いた通り、そこにあることが全てです。記事に書かれたような話があったというのは伺っているし事実です。しかし、番組のことなので出演者のスケジュールなどで実現しない可能性はあります」