広島を中心に展開する書店チェーン「フタバ図書」。そのECサイトである「フタバブックス」の乃木坂46への愛が「泣ける」と話題を呼んでいます。
ファンの注目を浴びているのはサイトのCD販売ページ。
一見、何の変哲もないページですが、実はここに乃木坂46へのメッセージが隠されています。
2段目のCDのタイトルの頭文字をよく見てみると...。
「中元日芽香」となります。
さらに下の5枚のシングルのタイトルは「ありがとう」そして「またね」。合わせると「中元日芽香 ありがとう またね」となります。
中元日芽香さんはアイドルグループ「乃木坂46」のメンバー。8月7日に、体調面の不安からグループを卒業し、芸能界からも引退すると発表していました。
1段目に紹介された乃木坂のシングル4曲にも意味があります。
新曲「逃げ水」以外の「バレッタ」「さよならの意味」「裸足でSummer」は中元さんが選抜メンバーに選ばれた曲です。
この隠しメッセージは、ネットを通じて乃木坂ファンに拡散。Yahoo!の話題なうにも取り上げられました。ファンからは好意的な声が数多く上がっています。
「粋な計らい」
「素敵で涙でた」
「CDの並びは意図的なものです。中元さん卒業の一報を受けてから、何かできる事はないかなとずっと考えていて、ネット担当者として表現できるひとつの方法として今回CDの配置を変えさせていただきました」
BuzzFeed Newsの取材に対し、フタバ図書でネットプロモーションを担当する吉賀真悟さんはこう答えます。
吉賀さんはフタバ図書の乃木坂46に関する販促活動全般も担当。吉賀さん自身も乃木坂のファンで、一推しのメンバーは中元さんです。
今回の隠しメッセージには吉賀さんの思いが込められています。
「企業として特定の方をプッシュするというのは、色んな意味で難しいことだと思っています。まして、中元さんは引退発表をされているわけで、ファンや関係者の心情を考えますと、変な騒ぎ方は好ましくないなと。ただ、私個人としましても中元さんに何か贈る言葉がないだろうかということは常に考えていまして、隠しメッセージという方法をとらせていただきました」
これまで、ほかのアーティストで隠しメッセージを入れたことはなく、中元さんが初めて。ネットで大きな反響があったことには驚いているそうです。
フタバ図書では2014年にファーストアルバムのプロモーション企画で関わって以来、広島での乃木坂の知名度を上げるべく「広島のぎざ化計画」と題し、グループの活動を応援してきました。
店舗での特設コーナーの設置、特集サイトやTwitterアカウントの開設、さらに2015年には当時、広島で放送がなかった冠番組「乃木坂工事中」の誘致に尽力。
広島での放送が打ち切りになりそうになった際に、吉賀さんが会社に働きかけ、フタバ図書は番組の提供スポンサーにもなりました。
フタバ図書の乃木坂へのこうした取り組みは、ファンに好感をもって迎えられています。
「おかげさまで、たくさんの乃木坂ファンの方々から支持いただいております。弊社が取り組んでいます『フタバのぎざ化計画』は、乃木坂46という素晴らしいコンテンツを、もっとたくさんの人に知ってもらいたい…ファンの裾野を広げたいというところから始まっています」
「小売業ですので、売上というものも視野に入れなければなりませんが、『良いものは良い』として、(アイドルに興味がない方も含め)たくさんの方に彼女達を知ってもらうことは、小売業の本来あるべき姿なのかなと考えています」
推してきた中元さんはもうすぐ卒業となりますが、吉賀さんは今後も中元さん、そして乃木坂を応援し続けるそうです。