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蒼井優、異色ドラマの陰のプロデューサーだった

キャスティング、主題歌選びまで八面六臂の活躍

現在放送中のドキュメンタリードラマ『このマンガがすごい!』(テレビ東京ほか、毎週金曜深夜0時52分放送)。

©「このマンガがすごい!」製作委員会

人気俳優たちが自ら実写化したい漫画を選び、独自の役作りで漫画のキャラクターと一体化するまでの姿を追った番組で、これまで映されなかった役作りの裏側が見られると評判となっている。

BuzzFeed Japanではこの番組のプロデューサーである藤野慎也さんを取材。撮影秘話を聞く中で、ナビゲーターを務める蒼井優が実は陰のプロデューサーだった事実が明かされた。

テレビ東京の藤野慎也プロデューサー
Tatsunori Tokushige / BuzzFeed Japan

テレビ東京の藤野慎也プロデューサー

――そもそも、毎年出版されるランキング本『このマンガがすごい!』をもとに企画を立てたのか、企画からの後付けのどちらだったんですか。

後者です(笑)。もともと松江哲明監督と、『山田孝之の東京都北区赤羽』『山田孝之のカンヌ映画祭』などの番組で一緒に仕事をしていました。

次に何をやろうかと話し合う中で『映画 山田孝之3D』で山田孝之さんが劇中で漫☆画太郎先生の「左翼ボクサーのぼる」の実写化をやった部分の手法が面白かった。

連続モノでもやりたいよねとなったのが番組制作のきっかけでした。

©「このマンガがすごい!」製作委員会

――テレビ東京らしい企画ではあるのですが、最初に聞いた時はよくこの企画通ったなと思いました。

個人的にはテレ東の深夜枠では、新しいもの、他が手をつけてないものを放送していきたいと思っています。

テレビ業界が先行き不安定な中、テレビでもまだまだ発想力豊かな番組がやれる!と視聴者の皆様に思ってもらいたいという野望もありました。

ただ番組制作の過程で各所に説明する際、私の説明力の問題もありますが、企画内容がなかなか理解してもらえませんでした(笑)。

山田孝之さんの漫☆画太郎先生の実写化動画を見せたら「ああ、こういうことか」と、説明するより動画を見せた方が早かったです(笑)。

――ナビゲーターには蒼井優さんが起用されています。

配信会社と組んで番組を企画する機会が増えていますが、漫画原作ものじゃないと認知度がなく、オリジナルものはなかなか企画が通らないという現状があります。

そんな現状を目の当たりにしていますし、映像業界において漫画とは切っても切り離せない関係になっている今だからこそ、漫画実写化に挑む俳優さんの演技論を語っていただきたいとの思いがありました。

ただ演技論となるとインタビュアーが同業の方でないと内容に深みが出ないのではないかと思い、日本を代表する俳優さんの一人である蒼井優さんにナビゲーターをお願いしました。

©「このマンガがすごい!」製作委員会

ゲスト俳優さんとの対談では、蒼井優さんにご自身の経験も踏まえて語ってもらっていて、本当に深みのあるものができたと思っています。

番組は三部構成になっていて、一部はゲストと蒼井さんのトーク。漫画実写化が当たり前になった現状についてディスカッションしたり、その漫画を実写化したい理由について聞いています。

二部では実際の役作り。普段は絶対表に出ないところをこの番組ではフューチャーします。三部は、漫画の実写化パートです。

蒼井さんに「これだけの俳優さんとじっくり話す機会はなかなかない。いい経験です」と言っていただき、楽しんで撮影していただいたのではないかと思っています。

©「このマンガがすごい!」製作委員会

――初回の森山未來さんに始まり、塚本晋也監督などゲストも非常に豪華です。

出演者は年代や性別が重ならないように選びました。キャスティングについては松江監督が「大作映画一本作れるね」というくらいの豪華な方に集まってもらっています。

森山さんは『うしおととら』の中でも、うしおが獣になってしまう部分をぜひ実写化したいと話していて、そのためには5人の女性が大事だと、実際に様々な年代の女性を集めてオーディションをしました。

でんでんさんは『おそ松くん』だったので、1人6役をやっていただいていますし、山本美月さんは以前、別の撮影で使用した『ウテナ』の衣装を持ってきていただいたり。

各俳優さんの作品への愛と、それに向かう役作りは十人十色ですが、みなさんこの番組に真摯に向き合っていただき、非常に感謝しております。

©「このマンガがすごい!」製作委員会

――蒼井さんご自身は漫画が好きなんですか?

蒼井さん、幼少期に親御さんに初めて漫画『ちびまる子ちゃん』を買ってもらったんですけど、あまりに嬉しくて漫画に色を塗ったらしいんです。

その時、お母さんから「原作者への冒涜だ」と怒られて、それがトラウマで小説に興味がいったらしいんです。

――蒼井さんの役割は、ナビゲーターだけに止まらないとか。

蒼井さんにはキャスティングの際にもご協力いただいています。塚本晋也監督は蒼井さんが主演する映画「斬、」でご一緒されていて、ご提案いただきました。

神野三鈴さん、平岩紙さんも蒼井さんのご提案。完全にプロデューサーですね(笑)。

©「このマンガがすごい!」製作委員会

――オープニングテーマを歌うアイドルグループ『アンジュルム』の起用も蒼井さんの提案と聞きました。

勉強不足で蒼井さんがアンジュルムのファンだとは知らなかったんですけど、その熱、愛がすごすぎて。アンジュルムのことになったら表情が一変するんですよ(笑)。

番組にタイアップ曲をつけたいという話をさせてもらったら、真っ先に蒼井さんから「アンジュルム、どうにかならないですかね。ぜひお願いします」と言われて。

テレ東のド深夜枠に蒼井さんが出ていただけることですし、絶対実現させないといけない。もともとアップフロントさんとテレ東の関係は長いですし、全力で動きました。

実は蒼井さん、ヒャダインさんとも仲が良いらしく。「ヒャダインさんに曲を書いてもらえたら最高だな」とおっしゃられていて、今回見事にそれが形になりました。

ドラマのOPでは蒼井優がアンジュルムのダンスを踊る

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――蒼井さん、名プロデューサーですね。以前プロデュースされた「その『おこだわり』、俺にもくれよ!!」に主演された松岡茉優さんもハロプロヲタでしたよね。

それを狙ってキャスティングしているわけではないです(笑)。結果的にそうなりました。シリーズになれば、是非松岡茉優さんにも出演していただきたいなと思ってます。

――でも、そうなると「このアイドルがすごい」になっちゃいますね(笑)。

それもまた面白いかもしれません(笑)。

自分が手がける番組についてはできる限り、客観的に見たいと考えているんですけど、俳優さんの個性が浮き彫りになって面白い内容になったと思っているので、ぜひシリーズ化したい番組です。

漫画好きな俳優さんはまだまだたくさんいると思いますので、「孤独のグルメ」ぐらいシーズンを重ねられるようになるのが目標です!

そのためにもまずはより多くの視聴者の皆様に見ていただけるとうれしいです。