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全豪制したフェデラー、ともに復活したナダルへ「正直、きょう負けても幸せだった」

永遠のライバル対決が世界を沸かせる

テニスの全豪オープン、男子シングルス決勝(日本時間1時間29日)、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)とのライバル対決は、フルセットの末、フェデラーが7年ぶり5度目の優勝を飾った。

フェデラーとナダル。2000年代半ばから二強時代を築き、2005年7月から2009年8月までの間、世界ランキング1位を2人で独占した。

ナダルのクレー81連勝を止めたのはフェデラーで、フェデラーの全英6連覇を阻んだのはナダル。文字通りのライバルだ。

2010年代以降、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マリー(イギリス)が台頭し、フェデラーとナダルを合わせ「ビッグ4」と呼ばれるようになると、頂点をかけた2人の対戦は遠ざかる。

フェデラーとナダルが四大大会の決勝で戦ったのは2011年の全仏オープンが最後となっていた。

フェデラーとナダルにとって、2016年はともに怪我に苦しんだシーズンだった。

フェデラーは2016年2月、娘たちを風呂に入れようとした際にひざの半月板を負傷し、同月には内視鏡の手術を実施。プロ転向以来、初めての大きな怪我だった。

4月に公式戦に復帰するも、6月の全英オープン準決勝でコートで足を滑らせ、再び左ひざを負傷。リオデジャネイロ五輪や全米オープンを回避し、リハビリに費やした。

一方のナダルも、昨年6月の全仏オープンで手首を痛め、完治させるために10月上旬にシーズンを終了。本調子とはいかない戦いから、ピークを過ぎたとの見方もあった。

コートではライバルだが、試合を離れれば尊敬しあう仲の2人。

AFPによれば、ナダルはセレモニーで、こう語ったという。

「ロジャーと私は、テニスのやり方を忘れたわけではないし、最高のレベルで競技できるように練習している」

2017年最初の四大大会となる全豪オープンは、ともに怪我からの復活をかけ、臨んだ大会だった。

優勝候補と目されたのは現在最強と呼ばれるジョコビッチ、そしてジョコビッチを昨年の最終戦ATPツアー・ファイナル決勝で破って年間1位を確定させたマレーだった。

だが、ジョコビッチは2回戦で世界ランキング117位のデニス・イストミン(ウズベキスタン)にまさかの敗戦。マレーも4回戦で同50位のミーシャ・ズベレフ(ロシア)に敗れる。

ライバルたちが破れる中、フェデラーとナダルは勢いのある若手に打ち勝ち、決勝までたどり着いた。

準決勝でグレゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に勝利した後、ナダルはアカデミーのオープンセレモニーでは、まさかフェデラーと決勝で対戦するとは想像していなかったと明かし「だからこそ2人にとっては重要だし、特別なことだ」と語った。

第1セットをフェデラーが6-4で取れば、第2セットは3-6でナダルが取り返す。第3セットは6-1でフェデラー、第4セットは3-6でナダル。一進一退の攻防で、試合は最終第5セットまでもつれ込む。

最終セット、フェデラーは1度はナダルにブレークされるも、そこから巻き返し、6-3で試合を制した。

四大大会の優勝は2012年の全英オープン以来6年ぶり。苦しんだ2016年を乗り越えての優勝に、勝利の瞬間、大きく飛び跳ねて、体中で喜びをあらわにした。感極まり、瞳には涙が浮かんでいた。

HE’S DONE IT! 🏆 Roger #Federer has defeated Rafael #Nadal in the #AusOpen 2017 final to bring up his 18th Grand Sl… https://t.co/6ZgWQUMjas

元テニスプレイヤーのファブリス・サントスは今大会のフェデラーについて準決勝後「15歳の精神、25歳の脚力、35歳のパスポートを持つ」とテニスにかける意欲と熱意と賞賛したが、それはナダルにも言えることだろう。

衰えどころか、今が全盛期といえるのではないか。そう思わせる2人の決勝だった。

全豪オープンの公式アカウントは2009年、決勝での画像と今年の画像を並べて紹介。


世界ランキング3位のラオニッチも2人の試合への感動をツイートした。

What a great and amazing match to wake up for. Thank you Roger, thank you Rafa. @AustralianOpen

「目が覚めるような素晴らしい試合だ。ありがとう、ロジャー。ありがとう、ラファ」

ほかにもフアン マルティン・デル ポトロ、スタン・ワウリンカら多くの選手たちが2人を賞賛した。

みずからが持つ四大大会の歴代最多優勝回数を18回に更新したフェデラー

優勝セレモニー中、決勝を戦ったナダルの顔を何度も振り返り、こうたたえた。

「4~5か月前、テニスアカデミーで会った時には、2人で決勝に立てるとは思ってなかった。だから正直なところ、きょう負けていても僕は幸せだったと思う」

「テニスはとても厳しいスポーツで引き分けはない。けれど、もし引き分けがあるなら、ラファと分かち合うことができれば幸せだ」

2人とも勝者だと語るフェデラー。その言葉を肯定するように、万雷の拍手が、コートに鳴り響いた。


Tatsunori Tokushigeに連絡する メールアドレス:tatsunori.tokushige@buzzfeed.com.

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