全国のタイガーマスクに伝えたい。いま児童養護施設に必要なもの、いらないもの

    ランドセルはいるのか?

    2010年頃から始まった「タイガーマスク運動」。匿名の人が児童養護施設にランドセルを贈る運動だが、先日、下記のツイートが話題になった。

    すみません、児童養護施設の保育士として、正直に言わせて頂きます! ランドセルはーいらないー(>人<;)! タイガーマスク現象で、多くの方がランドセルを下さるのですが、ランドセルくらい、本人の希望をもとに買ってあげたいのですよ…。 https://t.co/kyvfhWRwZc

    児童養護施設の保育士と思われるユーザーの「ランドセルはいらない」発言は、賛否両論を呼んだ。

    では、いま本当に児童養護施設に必要なモノ、いらないモノはなんだろう?

    BuzzFeedは、全国児童養護施設協議副会長の武藤素明さんに話を聞いた

    Takumi Harimaya / BuzzFeed

    武藤素明さん

    「ランドセルではなく、できれば、まず電話を」

    ーーいま児童養護施設に必要なものは?

    昔に比べ、施設には幼稚園に通う子から高校生まで幅広い年齢の子がいます。そういった背景もあるので、「すべての子どもたちが必要としているもの」というのは非常に難しいです。

    ランドセルに関して言うと、現在、施設に入っている子の多くには、一緒に住んでいないけれど親がいます。「せめてランドセルだけでも買わせてくれ」と親や祖父母が購入するケースが多い。一概にランドセルが必要というわけではありません。

    なので、寄付をしていただけるなら、まずは電話をしてもらえないでしょうか?

    子どもたちのニーズも多様化しているのが現状なので、寄付の相談を受け、金額規模などを聞き、我々がそれに見合って不足しているものを提示します。そうすればミスマッチは避けられる。寄付してくださる方も、せっかくなら役に立つものの方が嬉しいと思いますし。

    施設に入居する子で、ほかの子を見て「ピアノを習いたい」と望む子もいます。

    習い事は、自己肯定感を付けるためには大切なことです。なので、現金はありがたいです。使い道も委ねてくれますし。その際は、公報誌などで使い道と、子どもたちがどう成長したかをしっかりと伝えていきます。

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    タイガーマスク運動ピーク時には、ランドセルが大量に寄付され、余ったそうだ。足りていない施設に回したり、被災地で困っている場所に送ったりしたとのこと。「決して感謝の気持ちは無駄にしていない」と武藤さんは話す。

    Takumi Harimaya / BuzzFeed

    社会福祉法人 二葉保育園

    タイガーマスク運動の本質とは?

    ーー必要ではないものは?

    最近は少なくなってきましたが、古着は困ることがあります。送られてきてもサイズが合わなかったり、古くて着られなかったりするケースがあります。

    処分するのにも費用がかかり、それを支払うのは施設。年配の人はモノを大事にするから、「まだ着れる」と送ってくれるのでしょうね。本当に施設にモノがない時代だったら助かりますが、今だと事情がだいぶ変わってきているので。

    ーータイガーマスク運動の件数は?

    ピーク時に比べれば、相当減っています。しかし、寄付を続けてくれる人はいますし、困っている人を見て、役に立ちたいと思うのは素晴らしいことです。本当に有難い。

    タイガーマスク運動のおかげで、多くの施設、子どもが助かりました。施設の子が、一般の子たちと同じく幸せになるには、まずは物資的にも精神的にも豊かにならないといけません。

    タイガーマスク運動の本質は、支援をしてもらいながら、我々と共に子どもたちを元気に育てていくこと。それを踏まえたうえで、「本当にランドセルなのか?」と考えてみて欲しいです。

    Takumi Harimaya / BuzzFeed

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