突然ですが、こちらは茶碗に盛られたご飯です。なにも違和感はありませんよね?
では、こちらはどうでしょうか? ちょっとおかしいですよね。
そう、米粒がすべて縦に並んでいるのです。これが現在、Twitter上で話題を呼んでいます。
この作品は現役多摩美大生の藤田卓美さん(@fjttata)のもの。11月5日まで開催されていた同校の芸術祭に展示されており、それを別のTwitterユーザーが投稿。3万件以上リツイートされ、たちまち話題になりました。
しかもこれ、なんと本物のお米で作られているのです!
作品の詳細が気になったBuzzFeed Newsは、藤田さんに経緯や製作の裏側を聞きました。
自然と思うものに変化を与える
−作ろうと思ったきっかけはなんですか?
物の並び方において、「自然だな」と思わせられる並び方を、あえて変化させることによって違和感を出せるものはないかと考えたのが最初でした。今回の場合は整列。石や人形などさまざまなものを並べた結果、行き着いたのがお米でした。並べる際に最適な硬さのご飯を炊く水の量の調整が苦労しましたね。
−作品名、製作期間はどのくらいですか?
作品の題名は「並びの研究 ご飯」。制作期間は約8時間ですね。あまり時間をかけるとカピカピになってしまうので、霧吹きで加湿しながら制作しました。
−Twitter上で話題になっていますが…
まず、美術大学の展示作品がここまで拡散されること自体が驚きでした。話題になったことでさまざまな視点からの感想をいただけてよかったです。自分の浅い知識では気づかなかったであろう米に関する仏教や昔の宮廷料理の知識などを得ることができました。
−今度もこのような作品を作る予定はありますか?
日常の中にちょっとした操作を加えることで違和感を抽出することが僕の全体的な創作のテーマになりつつあります。
その表現の方法の一つとして今回の作品では「お米の並び」というものを扱いました。
特に並ばせるフェチみたいなものは持っていませんが、この作品制作を通してモノの並び・関係性というものは非常におもしろいなと感じていますし、次に整列させたいモチーフもあります。が、それを言ってしまったら作らないといけない義務になりそうなので公言はしないでおきます…。