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3人に1人の女性がネット上でセクハラ被害に オンラインハラスメントの実態とは

実態と対策を専門家に聞く。

セクシャルハラスメントはリアルな場だけではなく、オンライン上でも起こっている。

悪意のあるゴシップやうわさ話、誹謗中傷、セクハラ、殺害の脅迫ー。

セキュリティソフト「ノートン」などを展開するシマンテックは11月28日、日本人女性を対象にオンラインハラスメントの最新調査結果を発表した。

全国504人、16歳以上の女性を対象にした調査からは、3人に1人がネット上でセクハラ被害に遭っていることがわかった。

BuzzFeed Newsは、オンラインハラスメントの実態をノートン事業統括本部・古谷尋さんに聞いた。

オンラインハラスメントの被害経験者は46%

今回の調査結果によると、オンラインハラスメントを受けた女性は全体の46%にのぼった。約半数の人が被害を経験したことになる。

被害内容は「悪意のあるゴシップ/噂」が46%。「誹謗中傷」が34%、「セクハラ」が32%となっている。

ほか、「悪意または脅迫的なメールを受け取る」「集団による攻撃」などの事例が寄せられた。

3人に1人がオンライン上でセクハラ被害に

調査結果からは、3人に1人が被害を経験していることが明らかになった。

世代別では「16歳〜29歳」が40%ともっとも高くなっている。古谷さんは「SNSのメインユーザーが若い世代にあることが理由では」と考察する。

セクハラ被害の具体的な内容は以下のようになっている。

  • 断ってもしつこく交際を迫られた 31%
  • あからさまに性的な内容を含んだ不快なメールを受け取った 19%
  • ソーシャルメディアに性的なコメントやメッセージが送られてきた 18%
  • しつこく性行為を迫られた 15%
  • ポルノまがいの性的な迷惑画像が送られてきた 14%
  • 性的な写真や画像を送るように指示された 13%
  • その他 21%


サイバーストーキングの実態。性的暴行に発展も

オンライン上のストーカー「サイバーストーキング」の実態も調査している。

それによると、被害経験は全体の12%で年齢が若いほど被害に遭いやすい傾向になっている。

サイバーストーキングに起因する被害としては、「個人的に付きまとわられる」「物理的な敵対行為」「ネットまたは公の場で辱めるという脅迫」など身体的暴力に発展するケースも見られた。

昨年5月、音楽活動をしていた女子大生の冨田真由さんが刺傷された事件。岩埼友宏被告は冨田さんのTwitterやブログに執拗な書き込みをしていた。

また、サイバーストーキングから性的暴行に発展したケースを10人に1人が経験していることも調査でわかっている。

加害者は「正体不明(42%)」、「面識のない人物(31%)」、「元パートナー、元配偶者(24%)」などだ。

オンラインハラスメントによる被害と対策

オンラインハラスメントを受けた人のうち、うつや不安神経症を発症したのは15%にのぼる。中には転職や転居を余儀なくされた人もいる。

また、被害を受けた人のうち、49%の人が「無視した」としているが、5人に1人は「どうすればいいのか分からなかった」と回答。実際に助けを求めたり、対策を講じたりする人は少ないのが実態だ。

対策として古谷さんは「所有するすべてのデバイスで設定を確認すること。問題を感じたら速やかに対処すること。適切な報告や届け出をすることです」と話す。

証拠を残しておくために、メッセージなどのスクリーンショットを撮っておくのも有効だ。


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