元女子プロレスラーの長与千種さんが11月19日午前3時10分ごろ、北海道札幌市内の駐車場でけんかの仲裁に入ったところ、男から暴行を受けた事件。
長与さんは20日、SNSで「訴える気持ちはまったくない」など心境を明かした。
報道によれば、長与さんは18日、興行のために札幌市を訪れていた。プロレスラー仲間と食事をして帰る途中、女性の「助けて」という悲鳴を聞いて駆けつけたところ、男が女性に馬乗りになっていたという。
長与さんは男を女性から引き離したが、警察官が到着するまでの間、暴行を受けたという。のちに2人は夫婦ということがわかり、一緒に酒を飲んだ後、飲み続けるか帰るかでもめていたとのこと。
「仕事柄、絶対に手は出せない」
男は長与さんの髪を手でつかみ頭を押さえ付けたという。長与さんが代表を務めるマーベラスプロレスは19日、「指を骨折している可能性」とツイートした。
AbemaTIMESによれば、長与さんは次のように事件の経緯を話している。
「髪がブチブチ抜ける音がして、自分の顔が床に着いちゃう、危ない、でも何もできないし、と思って。手を解かないといけないので"やめてよ"って言った途端に右手を持っていかれた」
「骨に違和感があって"ああやったな"って。普通だったらそこで腕を決めるが、その瞬間に技になってしまう。仕事柄、絶対に手は出せないので、防御だけ。でも、プロレスやっててよかったなって思うのは、傷付けてしまうとその人と同じになってしまうので、自分で良かったのかなって。プロレスラーだから気持ちを止められた」
「やはり女の方が弱い立場なので」「訴える気はない」
長与さんが20日、SNSに投稿した動画では冒頭、「ご心配おかけして申し訳ございませんでした」と謝罪。
けがについては、病院で再度検査を受けると報告し「大丈夫です。傷は治ります」と笑顔で話した。
暴行した男と話したという長与さんは、その言い分を「わからないではない」と理解を示した。そして、「夫婦だからこそ仲良くしてほしいし、けんかもあるけど、やはり女の方が弱い立場なので、やっぱり暴力ではなく守ってあげるという形でしてほしい」と語った。
また、「もう1回札幌に行くときに、(男に)会いに行こうと思います。きっと仲良くなれるかもしれません。なぜならちゃんと彼の気持ちもわかりましたから。訴える気持ちもまったくないですし、お互いに勉強したねっていう気持ちです」と和解の意向を示した。
最後は「本当にみなさん、ご心配掛けてすみませんでした。がんばります。病院に行ってきます」と締めた。
朝日新聞によれば、北海道警札幌中央署は19日、長与さんの髪をつかむなどしたとして、飲食店経営、長谷川匡容疑者(27)を暴行の疑いで現行犯逮捕したという。