明治大は6月8日、公式サイトに「自由な学問と知的活力のある大学へ」との学長・学部長声明を発表した。
これは法政大総長の田中優子氏が5月に発表したメッセージを支持するものだ。
法政大総長のメッセージとは
5月16日、法政大総長の田中優子氏は、大学公式サイトに「自由で闊達な言論・表現空間を創造します」とのメッセージを発表した。
メッセージ冒頭では、「昨今、専門的知見にもとづき社会的発言をおこなう本学の研究者たちに対する、検証や根拠の提示のない非難や、恫喝や圧力と受け取れる言動が度重ねて起きています」と述べた。
その中には、「冷静に事実と向き合って社会を分析し、根拠にもとづいて対応策を吟味すべき立場にある国会議員による言動も含まれ」るとした。
専門家として分析、検証をし、社会問題の解決に寄与することは研究者の責任とした上で次のように述べている。
「その責任を十全に果たすために、適切な反証なく圧力によって研究者のデータや言論をねじふせるようなことがあれば、断じてそれを許してはなりません」
最後は「全国の研究者、大学人の言論が萎縮する可能性を憂慮し、本学の研究者に起きていることを座視せず、総長としての考えをここに表明いたします」とした。
明治大が法政大メッセージを支持
明治大・学長室は、6月8日、公式サイトにて声明を発表。土屋恵一郎学長をはじめ、全10学部長の連名の声明だ。
法政大学、田中優子総長のメッセージの支持を表明した。
「私たちは、田中総長のメッセージを支持いたします。近来、一部国会議員や言論人が、学問の自由と言論表現の自由に対して、公然と介入し否定する発言を行っているのは、憲法を無視しているだけではなく、私たちの日常を支えている、民主主義のモラルを公然と否定するものです」
「『権利自由』『独立自治』を建学の精神とする本学にとって、この事態は看過できるものではありません」
そして、大学にとって批判的精神は常に必要とされるものであるとし、批判的精神によって、権力の暴走を阻み、健全な市民社会を支えていくと述べた。
また、次のように続ける。
「私たちが今の日本を誇ることができるのは、この批判的精神を忘れないからであり、決してその時々の権力の内に『日本』があるわけではないのです」
「岡本太郎氏は、縄文の文化のうちに、日本を再発見しました。私たちも、奔放で自由な学問と知的活力の中で、日本を再発見しなければなりません」
メッセージ支持に反響
明治大の支持表明にネット上でも反響が上がっている。