「はちみつを与えるのは1歳を過ぎてから」 厚労省が注意喚起 乳児ボツリヌス症で死亡事例も

    昨年3月に生後6カ月の乳児が「乳児ボツリヌス症」で死亡した。

    「はちみつを与えるのは1歳を過ぎてから」厚生労働省が再度、注意喚起をしています。

    2017年4月7日、東京都は足立区内の生後6カ月の男児が同年3月30日、はちみつに含まれていたボツリヌス菌が原因の「乳児ボツリヌス症」で死亡したと発表しました。

    都によれば、統計で確認できた1986年以降、乳児ボツリヌス症での死亡例は全国で初めてとのこと(当時)。厚労省担当者によれば、2018年度になってから全国でボツリヌス症の事例はないという。

    同省は、1歳未満の乳児を世話する人に向けて以下3点を呼びかけています。

    1. 1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあります。
    2. はちみつは1歳未満の赤ちゃんにリスクが高い食品です。
    3. ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。1歳未満の赤ちゃんにはちみつやはちみつ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう。


    稀に死亡するケースもある

    同省によれば、ボツリヌス菌は、土壌中などに存在している細菌で、体内に入れば、大人の場合、ほかの腸内細菌との競争に負けるため、通常、なにも起こらないとのこと。

    しかし、乳児の場合、まだ腸内環境が整っておらず、ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すため、便秘、ほ乳力の低下、元気の消失、泣き声の変化、首のすわりが悪くなるなどの症状を引き起こすことがある。

    ほとんどの場合、適切な治療により治癒するが、稀に死亡するケースもあるという。

    加熱で死なない「ボツリヌス菌」

    「ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません」とも呼びかけています。

    一般的に、はちみつは包装前に加熱処理を行わないため、ボツリヌス菌が混入していることがある。ボツリヌス菌の耐熱性は「120度、4分」とされており、通常の加熱や調理では死なないという。

    食品事業者に向けて

    同省は、食品事業者に向けて、はちみつ及びはちみつを含む食品は、「1 歳未満の乳児には与えないで下さい」という情報を、表示などにより消費者に分かりやすく提供するよう呼びかけています。