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<北海道地震>避難所に認知症の人がいたら? 覚えておきたい3つのポイント

慣れない環境。周囲の人の理解も必要です。

最大震度7を観測した平成30年北海道胆振東部地震。

総務省消防庁は9月6日、札幌市や厚真町など道内8市町に避難所計333カ所が開設され、約2400人が避難していると発表しました。

厚労省の「避難所での認知症の人と家族支援ガイド」という資料があります。

社会福祉法人東北福祉会 認知症介護研究・研修仙台センターが監修を務め、東日本大震災被災三県の621事例をもとに2012年に作成した資料だという。

避難所に認知症の人がいたとき、家族や周囲の人はどのような点に気をつければいいのでしょうか。3つのポイントが説明されています。

1.環境づくり

資料には「認知症は人や急激な環境の変化についていけない病気」とあり、環境づくりが大切としています。

可能であれば、介護している家族と避難所の隅の方へ行き、パーテーションなどで仕切って安心できる空間を作るよう呼びかけています。

また、同センターが実施した「避難生活を継続するために必要だったことは?」とのアンケートには次のような声もあったそうです。

・認知症の人専用スペースを確保する

・専用のおむつ交換や排せつスペースが必要

・落ち着く静かな環境

・顔見知りの人が近くにいる環境

2.かかわり方

認知症には周囲の人の理解も大切といいます。認知症の人への接し方として、4つのポイントが挙げられています。

1.驚かせない

2.急がせない

3.自尊心を傷つけない

4.介護者へも声かけを

東日本大震災では、避難所生活の条件として「周囲の方の理解があった」「介護者を支援する人がいた」「日課や役割などを作った」などの教訓があったといいます。

3.二次避難所へ

3点目として、福祉避難所への移動準備をすることがあります。

東日本大震災では、認知症の人が一次避難所で生活できる限界は平均3.11日だったそう。認知症患者はもちろん、介護者の負担も増大します。

早期の福祉避難所への移動に向けて、患者の名前や年齢、病歴などを紙に書いたり、早期の移動を申し出たりしましょう。

資料は最後、「先は見えないのではありません。1週間以内に必ず助けが入ります」との言葉で締められています。