高校生ラップ選手権で一躍注目を集め、同性代を中心に高い支持を得る現役女子高生ラッパーのちゃんみな(@chanmina1014)。
BuzzFeedは、“練馬のビヨンセ”とも呼ばれる彼女に、生い立ちや音楽にかける意気込みなどを聞いてみた。地元、練馬区の公園で。

いじめがきっかけでハマったラップ
ちゃんみな(本名:乙茂内美奈)は、現在17歳の高校3年生。日本人の父と韓国人の母を持つハーフだ。
3歳まで韓国に住み、その後は韓国、日本、アメリカを行き来する幼少期を過ごした。
「お母さんがバレリーナ。その関係で子どものころから、バレエやピアノ、バイオリンなどを習っていました。わりと音楽とは近い環境にいましたね。お母さんから聞いたんですけど、3歳のとき音楽番組を見ていて『ママ、私歌手になっていい!?』と言ったみたいです」
「それで日本の小学校に入学しました。けれど、ハーフで日本語もうまく話せないから、いじめに遭っていたんです。池に落とされたり、買ってもらったばかりのランドセルをグシャグシャにされたり。そんなとき、部屋に籠って聞いていたのが『BIGBANG(ビッグバン)』。衝撃を受けましたね。こんな音楽があるんだって」
これが彼女とラップの出会いだ。
フリースタイルバトルに挑んだ理由

ちゃんみなは、現役高校生たちがフリースタイルラップで優勝を競う「高校生ラップ選手権」の第9回大会に出場。その独特な声質とフローでオーディエンスを惹きつけた。
「もともと韓国で活動するのが夢だったんです。それで韓国に行くことを決意し、相方ラッパーのめっし(@messhi_milke)に話したら、『行かないで』って泣かれたんです。私、情に流されやすいので日本に残ることにしました」
2人は高校の同級生。デビューシングル「未成年 feat. めっし」もリリースした。

「それで日本でどう活動していこうか考えたとき、応募したのがラップ選手権。存在は知っていたけど、バトルは私が考える音楽ではなかったし、好きな音楽とはラップというところしか一致していなかった。そのような状態でどこまで行けるか自分の限界を知りたかった」
「過去に出場したJKラッパーを見たんですけど、『この人たちよりはうまいな』って。けど実際はすごく緊張していたし、大会が終わったあとはきつい言葉もあったし、壊れていましたね」
番組放送内ではカットされたが、バトルへの出場は「これが最初で最後」と宣言していた。現在は事務所に所属せず、ライブや楽曲制作、トラック提供などに励む毎日を過ごす。
これから、ちゃんみなはどうなるのか?
彼女は未来をどのように考えているのか?
「決してラップだけではなく、歌もやっていきたいです。人物でいうとBoAさんみたいに韓国と日本で活躍できるような存在になれれば。その後はプロデュース業も本格的に初めて、自分のプロダクションを立ち上げられたらと思っています」
「なんかヨーイドンって急に言われてた感じなんですよね。まだ位置についていないのに、『走れ!』って言われてる感じ。けれど走ったからには戻れないし、走ったからには負けたくないし」

「『ちゃんみなをきっかけにHIP-HOPを聴くようになりました』とか言われるとすごく嬉しいですね。ラップを始めたいと思っている子には、ラップへの入り口が私であっても最終的にはオリジナルになってほしいです。『ちゃんみなのフェイク』とか言われないでほしい。それでいつかステージで会いましょう」
なにか伝えたいことはないかと尋ねてみた。
「私は怖い人ではありませんよ(笑)」
