「自分の人生を送れない」 なぜ人は不倫をするのか? 心理学から考察する

    対処法はあるのか。

    川谷絵音(ゲスの極み乙女)、宮崎謙介元議員、ファンキー加藤、とにかく明るい安村…。2016年は芸能人、著名人の不倫報道が目立つ年だった。

    ユーキャンの2016年新語・流行語大賞にも週刊文春の「ゲス不倫」が選ばれた。

    時事通信

    ▲川谷絵音さん、宮崎謙介元議員、ファンキー加藤さん(左から)

    そもそも人はなぜ不倫をするのか。また、不倫に陥りそうになったときの対処法は。

    BuzzFeed Newsは、「ウルトラ不倫学」の著者で心理学者、神奈川大学教授の杉山崇さんに心理学の観点から不倫の構造を聞いた。

    主婦の友社 / Via amzn.asia

    「結婚があるから不倫もある」なぜ不倫をしてしまうのか

    「これを言ってしまえば、身も蓋もないですが、結婚があるからこそ不倫も起こります。人は生きられる人生だけでなく、『生きられなかった人生』も思い描くことができる生き物です」

    「なので、生きられる人生に縛り付けられると窮屈で苦しくなる。一夫一婦制でも他の異性と共に生きる人生は制限されるわけで、結婚した瞬間から窮屈な気持ちになり得るわけです」

    「その制限された生活から不満が生まれます。この不満が拡大すると、人は『自分の人生を生きられなかった』と不全感を抱くようになります。それを解消するために、不倫に陥ってしまう人が出てきます」

    決して不満を解消する方法は不倫だけではない。では、なぜ不倫なのか?

    「進化心理学的には、あらゆる生物は生存より生殖行為の方に瞬間的には大きな喜びを感じるように作られてきました。生殖行為中は無防備で捕食者に狙われやすいので、一時的にでも生殖の喜びが生存の喜びを上回らないと子孫を残せないからです」

    「なので、生きる喜びを手軽に得られる不倫を不満解消の方法に選ぶ人がいるのは、不思議なことではありません」

    また、男性の本能には『相手を出し抜きたい願望』が存在するという。妻の社会的地位が高い男性は、妻が「出し抜きたい相手」になってしまうことがある。

    そういった本能も不倫に陥る作用とのこと。

    不倫をしている女性の心理状態は?

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    ▲イメージ画像

    では、不倫をしてしまう女性はどのような心理状態なのか?

    以前、BuzzFeed Newsが取材した“パパ活”をしている女性。彼女は、既婚の男性と関係を持っていた。インタビューでは「罪悪感はないといえば嘘になります。けれどやめる理由もありません」と話した。

    「多くは『自分が手に入れられないものを持っている』『自分が見られない世界に連れて行ってくれる』と願望を求める女性が多いです」

    「そして『向こうも自分を求めている』という部分だけに注目し、罪悪感から目をそらしている女性もいます」と杉山さん。

    「しかし、中には本気で相手が好きで、妻の座を奪いたい女性もいます。反対に相手のことをそこまで好きではないけれど、略奪だけが目的の女性もいます。奥さんに勝ったという高揚力を味わうためだけの不倫です」

    不倫をする人、しない人。なにが違うのか? 対処法は?

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    ▲杉山崇さん

    では、不倫をする人。そうでない人はなにが違うのか?

    「一言でいうと、不倫をしたくなる異性と出会う機会があるかないかに限ります。不倫をしない人は、最初からそのような出会いの場に行かなかったり、自らチャンスを作らなかったり、不倫を無意識的に除外しています」

    それでも陥りそうになったときはどうすればいいのか? 杉山さんは「いかに冷静になり、損得感情で考えられるか」がポイントになると話す。

    「不倫には金銭や社会的信用などの損失が伴います。そのリスクを背負ってでも、不倫をするかを考えられれば自ずと不倫は避けらます」

    「人生への不全感や閉そく感を解消する方法は、不倫以外にもあります。趣味やお酒、違う業界の人と交流するのも、いつもと違う自分になれたり、違う空気を感じることができたりするので、閉そく感を解消するための手段です」

    これからは「熟年不倫」が増加傾向に

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    ▲イメージ画像

    今後の不倫の傾向を聞いた。

    「今後はSNSをツールとした不倫と、熟年不倫が増えていくと予想します。熟年期は人生を見つめ直す時期なので、『生きてこられなかった自分』を求めて不倫願望を持つ人がもともと多かったのです」

    「特にバブル全盛期を生きてきた今の50~60代の男性には、時代の変化への対応で人生に疲れている人も多くいます。そんな男性の中で、生きる喜びの再確認を不倫に求める人が増える可能性があります。女性については、子育てが終わると夫との共通項がなくなり、かといって再び夫と向き合う気力もない」

    「そんな中、次の生きる喜びを求める願望を持ちやすくなります。SNSはその願望を形にする強力なツール。SNSをきっかけに不倫にハマるケースも見られます」

    最後に杉山さんは、こう話した。

    「不倫で不幸になるか、幸せになるかはケースバイケース。不倫をするにしてもしないにしても、そのリスクとメリットを自覚して、自分の人生に必要なことかどうかよく考えて欲しいと思います」


    Contact Takumi Harimaya at takumi.harimaya@buzzfeed.com.

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