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「しんでびびらせるか」 怖すぎると話題の絵本、虐待を受けた作者が込める思い

体験したからわかること。

2003年に発売された絵本「わかってほしい(クレヨンハウス)」。Twitterユーザーの投稿によって再び、注目を集めている。

同書は、親に虐待を受けている子どもをテーマに描かれた作品。ページの背景はすべて赤。また、ページをめくる度にボロボロになっていくクマのぬいぐるみと、横に並ぶ「おなじめにあわせよう」「しんでびびらせるか」などのセリフが印象的だ。

そのビジュアルからか、ネットでは「怖すぎ」「これが絵本とかないわ」などの声が挙がっている。同書に込められた本当の思いとは。BuzzFeedは作者のMOMOさんに話を聞いた。

「私も虐待を受けていた」

「これを書き始めたのは2001年。その頃、親による子どもの虐待事件が多くなっていました。私も20歳まで父親から虐待を受けていたのです。実際に同じ目にあっていた者として、少しでもなにか世の中が変われば………と思ったのがペンを持つきっかけになりました」(以下、MOMOさん)

現在、MOMOさんは48歳。子どもの頃から、母親はおらず、父親と2人暮らし。家事全般はMOMOさんが行っていたが、ゴミ捨てを忘れるだけで暴力を振るわれていた。

最初は平手だったのが拳に。それが木の棒に変わり、最終的には鉄の棒で殴られるように。骨折したこともあったと話す。

「殺す気はないだろうと思っていたが、これが続けば死んでしまう」と思い、20歳のときに家出。

「学校や警察に相談すれば解決したかもしれない。しかし、それ以上に自分の親が裁かれるのは嫌だった。だから我慢していた」


2つの感情が同時に襲いかかる

同書のセリフは、白文字と黒文字の2つが重なり合うようになっている。

白文字では「でもあきらめない」と前向きな言葉が。対して黒文字では、「しんでびびらせるか」と憎しみが篭った言葉が並ぶ。

「殴られた直後には、怒り・悲しみと同時に『なんで殴るの?』『仲良くしたい』という2つの感情が襲ってきます。絶対に仕返ししてやるというわけではなかった。純粋に愛されたかったのです」

ページが進んでいく度にボロボロになっていくクマのぬいぐるみは、子どもの感情が壊れていくようすを表している。


誰に読んでもらいたいのか?

ネットでは「怖すぎて子ども向きではない」などの声も挙がっている。この本を誰に読んでもらいたいのか。

「本当は虐待にあっている子どもたちに読んでもらいたいです。しかし、実際に手に届くのは難しいと思います。なので、大人が読んだら、どれだけ虐待が残酷で怖いものかわかってもらえれば」

MOMOさんの父親は、出版をきっかけに謝罪。その際、「愛していたよ」と伝えたそうだ。いまは年に1回程度会っている。

親と、虐待されている子どもに伝えたいこと

最後に本記事を通して、親といま虐待を受けている子どもに伝えたいことを聞いた。

「親には『暴力でしつけできる』と思わないでほしい。育児のつらさもよくわかります。しかし、手をあげては絶対ダメ。カッとなったときは、頭をフル回転させて、言葉で伝えてほしい」

「虐待を受けている子どもには、『逃げろ』と伝えたいです。私が虐待を受けていたとき、仮面ライダーのようなヒーローが登場してこの場を救ってくれると思っていました。しかし、現れなかった」

「私たちは血が繋がった親子です。家出を躊躇したのもそれが原因でした。現在、血縁関係にない親に虐待されている子はたくさんいると思います」

「大人になってから解決する時間はたくさんあります。死んだら終わり。だから、いますぐ逃げて」


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