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「生理ごときで早退なんて迷惑」「甘え」職場で嫌味も…。“生理中の仕事”のリアルとは

つらい生理中の仕事。腹痛や頭痛、貧血など人によって症状や重さは違います。どんな時に大変さを感じて、職場ではどう対処しているのか。同僚や上司の理解は。読者に経験を聞きました。

腹痛に頭痛、貧血、眠さ、倦怠感……。

生理期間中や生理前はさまざまな体の不調が起こり、それは、毎日の仕事中にも変わらず起こります。

仕事中、どんな時につらさを感じる?同僚や上司は理解がある?

読者に「生理と仕事」をめぐる質問を聞くと、様々な経験談が寄せられました。

生理が重い場合は、産婦人科で適切な治療を受けることもできます。治療で改善した人のお話も聞きました。

生理前に起こるPMS(月経前症候群)や生理中の体調は、人それぞれに症状も重さも違います。

生理中の仕事で特につらいこととして、読者からは以下のような声が寄せられました。

「仕事の繁忙期に残業が続いたり、早朝出社が続いてただでさえ疲れているときに生理が来ると、本当に倦怠感と眠気が酷くてつらいです。特に生理前のPMSが酷く、倦怠感が酷すぎて仕事が終わるとすぐに横になってしまう程です」

「キャリアのことを考えるとまだまだ色々な経験を積みたいのに、月に1度体調が悪くなる時期があることを考えると、本当に働き続けることができるのか心配になります」(35歳、工業関係団体職員)

「仕事を始めてから、倒れるほどの腹痛や出血量がかなり増えるなど変化がありました。長時間労働になりそうな時や、自分ががんばりたい仕事の時に限って生理が被ります」

「会社が全国転勤なので地方に異動して住んでいますが、いい産婦人科を見つけることができず、大学時代から飲み始めた低用量ピルを途中で辞めなくてはいけなくなりました」(20代前半、報道関係)

上司や同僚に相談できる?「話せない」「相談したら理解して対策をしてくれた」様々な声

職場の男性には「相談しにくい」という声も多くありましたが、相談してみたら、しっかりと話を聞いてくれて対応を考えてくれたという意見も複数ありました。

「生理中の不調よりも生理前の精神的な不安定さのほうがつらいタイプです。有給の生理休暇の制度はないけど、転職して、厳しいことで有名な50代後半の男性が上司になってからのほうが配慮が厚くなりました」

「その上司は『仕事の修羅場は俺がどうにかできるけど、体の修羅場は助けてあげられない。自分の娘が同じように無理して頑張って倒れたらと思うと気が気じゃないから』と可能な限りの理解を示してくれます」(37歳、物流・運輸職派遣社員)

車業界で働き、業務は力仕事が多いという女性はこう語ります。

「私以外みんな男性の職場です。仕事は屋外での力仕事で、アクティブな私には丁度よかったです。しかし、コロナ禍の2年前の夏は最悪で、マスクは必須な上に35度超えの暑さ。作業を忙しくこなしていたタイミングに生理が来ました」

「普段はない吐き気や頭痛に薬も効かず、感情さえもコントロールがきかず、仕事中なのに動けなくなってしまいました。それでも周りは男性しかいないので、必死に悟られないよう隠していたつもりですが所長にはバレていました」

「様子を見かねて近寄ってきた途端、私の心は崩壊し、泣き出してしまいました。最初は焦ったものの、私の状況を最後まで聞いてくれました。彼の奥さんも生理が重いらしく、おかげで私が相談した時も理解も早かったです」

「そして今後も私が働きやすくなるよう、所長から男性陣に事情を話してくれました。すると大半の方は、周りで生理の重い女性を目の当たりにしていたので理解が早かったんです。私も『男性だから言えない。どうせ理解してもらえない』という独りよがりがなくなり、楽になりました」(34歳、車業界)

一方で、男性上司からの心無い言動に傷ついている人もいました。

「私は生理がひどく、生理が来ると仕事に支障をきたすほどです。貧血で倒れそうになって、早退したこともありました。早退した翌日に出勤すると、男性の上司から『生理ごときで早退するなんて迷惑だから、婦人科に行って低用量ピルをもらってこい』と言われました」

「言われるがまま低用量ピルをもらいに婦人科に行き、服用しはじめました。就職してまだ1ヶ月も経ってない頃でした」

「しかし、副作用がひどく、吐いたり、ニキビが手に負えないくらい激増して、皮膚科に通うようになったり、心身ともに辛い日々が続いたりしました。その後、うつになり、仕事自体を辞めてしまいました。職場は女性も多かったですが、理解もなかったです」(22歳、元パン職人)

中には、「男性スタッフもいる」という理由でサニタリーボックスさえ設置されないという職場もありました。

「私の現場は介護施設で替えのスタッフがいないため、急な生理や重くて辛い症状が出ても休めません。スタッフの多くが生理が終わった年齢の人が多いためか、トイレにはサニタリーボックスもありません」

「会社に訴えても『男性スタッフもいる』と言う理由でダメでした。かえたナプキンは家まで持ち帰っています。若い子が生理痛で休もうものなら『生理痛くらいで』という目で見られます。なのでしんどくてもお腹に使い捨てカイロを貼りながら痛み止めを飲み、ちょっとの休憩時間には机にもたれかかって休んでいます。でも仕事中はご利用者さんの前ではニコニコしています」(38歳、介護施設スタッフ)

生理が軽い女性からの不理解も

また、男性だけでなく、生理の症状が軽い女性に生理痛のつらさを理解されず、仕事でも考慮してもらえないという声もありました。

「私は鎮痛剤を飲んでも生理痛がひどいです。気付かれないようにしてるつもりでも、顔が真っ青になるみたいで、周りが生理だと気付きます。周りに気付かれることがつらいです」

「休んできなよと、優しい言葉をかけてくれる人もいますが、生理痛がない・あまり痛みがない女性が『甘え』だと言います。生理をネタにする男性や『昔はそんなのなかった』と話す女性がいるので、生理休暇があっても、使用する女性はいません」(37歳、不動産事務職)

「生理痛に対しては、生理が軽い女性から理解がないと、これまでの社会人人生で感じました。男性のほうがむしろ『自分にはよくわからないことだから、いたわる』という考え方をしてくれました。生理が軽い女性は生理があるけど苦しんだことがないからそういう思考に至らず、『そんなつらいの?』と半信半疑の目を向けてきました」(45歳、アウトソーシング会社経理職)

「閉経前の生理がつらく、配慮がほしかった」という声もありました。

「一番つらかったのは閉経前の生理です。貧血もひどくて、経血量も多く、ナプキンもすぐにぐっしょりして、ジーパンまで染み出してきていました。何回も着替えての繰り返しだったので、いつも下着とズボンの替えを用意して仕事していました」

「『おばさんだから生理ぐらいで…』と思わないでほしい。閉経前で尋常じゃない生理だからこそ理解を得たいけど、言えなかったです。会社の男性は『生理痛は若い子だけ』と思っていたので、50歳の女性に対しても配慮がほしかったです。まだまだ『男社会』で、理解が得られないのでつらいです」(51歳、会社員)

また、トランスジェンダー男性や、性別のあり方が男性・女性という性別二元論にとらわれないノンバイナリー・Xジェンダーの人たちにも、生理がある人がいます。

年齢や性別での固定観念にとらわれることなく、その人に寄り添った配慮をすることが大切です。

「低用量ピル」で対策や治療の声も

寄せられた意見の中には、低用量ピルを服用して対策をしているという経験談も多くありました。

低用量ピルは、日常生活に支障をきたす腹痛や腰痛などの症状が出る「月経困難症」の治療にも使われています。

低用量ピルは「OC」や「LEP」と呼ばれることもありますが、OCが避妊用で、LEPが月経困難症治療用です。

毎日、服用することで「生理」の周期を定期的にします。排卵を止める作用があります。生理痛を軽くしたり、経血量を減らしたりします。

一方で、個人差があり、全く痛みやつらさが「なくなる」というわけではありません。

服用している人からは、このような声が上がりました。

「低用量ピルを飲んで、生理痛は改善されました。しかし、生理の1週間前あたりが今でもしんどくなります。症状としてはお腹のはりや、倦怠感です。この場合、リモートワークをします。出社の場合、タスクを任せられる人や頼れる人はいないです。チームには男性が多いので、正直言いにくいですね」(24歳、ITエンジニア)

「男性がほとんどの職場で、仕事中に何度もお手洗いに行くのが気まずいです。最近では、生理が重くなる2日目が休日に当たるよう、低用量ピルで調整しています。生理中の貧血が怖く、鉄剤で備える等の対策もしてますが、仕事だけに集中できない期間が毎月くるのは嫌ですね」(25歳、IT企業プログラマー)

低用量ピルは、医療機関で医師の指導のもと、副作用などにも気をつけながら服用することが大切です。

仕事や日常生活に支障があるレベルの腹痛などの症状がある場合は、子宮内膜症や子宮筋腫の可能性もあるため、我慢し続けるのでなく、婦人科にかかりましょう。

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