フィリピン、台風直撃で200人以上が死亡。各地で甚大な被害ひろがる

    台風22号がフィリピンを直撃し、セブやボホールなどの地域に深刻な被害が出ています。

    フィリピン中部と南部を直撃した台風22号(フィリピン名:オデット)の影響で、セブ島やボホール島などの地域で甚大な被害が出ている。

    フィリピン国家警察は12月20日、この台風による死者が少なくとも208人、行方不明者は52人にのぼると明らかにした。

    ビサヤ、ミンダナオ両地方の各地で洪水や土砂災害などが発生し、電気や水、通信などのライフラインが途絶えている状況だ。

    フィリピン気象庁によると、台風22号は16日に上陸し、16日から17日にかけてセブ島やボホール島、パラワン島周辺などを通過した。

    台風通過から3、4日経過した今も、電気や通信が復旧していない地域が少なくなく、被害規模などの情報収集にも遅れが出ている。

    国家災害対策本部は、自宅が被害に遭って避難している被災者が44万人以上いると発表している。

    新型コロナウイルスの流行が収まらない中、人々は約2400カ所の学校や体育館、バスケットコートなど、人が密集する場所での避難生活を強いられている。

    フィリピンでは12月でも気温が高く、明日21日のセブでの最高気温は31度、ボホールでは30度が予想されている。

    大統領府によれば、ドゥテルテ大統領は19日、大きな被害を受けたセブ島とボホール島を訪問。被害状況や必要な支援などについて情報収集した。

    台風が直撃したのは、漁業や農業が盛んな地域。それらの産業への大きな打撃も予想されている。

    セブ市には多くの日本人も住んでいる。

    セブ市内でも断水や停電などが続いていることから、在セブ日本国総領事館は12月20日朝から、領事館内で日本人向けの被害連絡・相談窓口を開設した。

    総領事館は「報道等によると多くの家屋および社会インフラが被災し、電力、水道、通信等のラインフラインの完全復旧には時間がかかることが見込まれる」として、在留邦人や短期渡航者向けに相談を呼びかけている。

    セブ日本人会もFacebookページで、現地の被害や支援などの情報を発信している。