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生理用品、無料配布します。区の取り組みに「すごい」「広がってほしい」

経済的な理由などから生理用品が購入できない人に対し、豊島区が生理用品の無料配布をします。入替時期になっていた防災備蓄用の生理用ナプキンを配ります。

経済的な理由などで生理用品が買えない人を対象に、東京都・豊島区が数量限定で生理用ナプキンを無料配布する。

配られるのは区が災害時のために備蓄し、入れ替え時期がきた計730パック。

「生理の貧困」が問題となるなか、SNS上では「すごい」「広がってほしい活動」との反響が寄せられている。

配布は3月15日から始まり、区によると初日で既に56パックが受け渡された。

豊島区は3月15日から、「豊島区立男女平等推進センター」(100パック)、「豊島区民社会福祉協議会」(100パック)、「豊島区本庁舎4階『女性相談』」(30パック)の3箇所で無料配布を開始。初日だけで4分の1ほどを配った。

週末の3月20〜21日にも、ひとり親家庭や就学援助受給家庭を対象とした「としまフードサポートプロジェクト」で食材など提供する際に、500パックを配付する。

区役所などでの受け取りは、本人証明の提示は必要ない。1家庭につき原則1パックだが、家族に女性が多い場合などには相談に応じる。

窓口で職員に声をかけづらい人は、窓口に置かれた専用のカードを使うこともできる。

紙のカードのほか、スマートフォンにカード画像を表示して職員に見せることで、提供を受けることも可能だ。

カードの画像は区のウェブサイトや、公式Twitterに掲載されている。

様々なご事情で生理用品の用意にお困りではないですか? 3/15(月)から区施設3か所で防災備蓄品の生理用品をお渡しします(無くなり次第終了)。本人証明等は提示なしでOKです。以下の画像を窓口にご提示ください。 詳細はリンクをご確認ください。 https://t.co/1WAp6aZXP5

Twitter: @city_toshima

窓口では、生理用ナプキン30個入り1パックに加え、アルファ化米1パックや災害救助用クラッカー26枚入り1パック、保存用ビスケット15枚入り1パックなどをセットで配っている。

防災備蓄食品も賞味期限が切れる前に入れ替えることから、生理用品と一緒に配布することにした。

声をあげにくい「生理の貧困」。区としても対応

豊島区は1月末、コロナ禍で顕在化した10〜20代の若年女性の貧困・虐待・自殺などの問題に取り組む全庁横断のプロジェクトチーム「すずらんスマイルプロジェクト」を立ち上げた。

若い女性を支援する団体と意見交換するなかで、困窮する女性たちに生理用品を配布する必要性を認識したという。

区は「生理の貧困への対応は当事者が声をあげにくいことから、社会的な課題となっています」としている。

「生理用品、値段が高い」「経済的に厳しい」の声

「生理の貧困」をめぐっては、各国で無料提供などの動きが活発化している。

スコットランドでは昨年11月、生理用品を無料提供する法案が可決された。BBCによると、地方自治体は、生理用品を必要とする人が無料で入手できるようにすることが義務付けられる。

ニュージーランドでも今年6月から、貧困対策の一環として、すべての学校で生理用品を無料提供する。

日本では国としての取り組みは実現しておらず、複数の団体が、学校への生理用品無償設置や、生理用品を軽減税率の対象に含めることを要望している。

「生理の貧困」は国内でも深刻な問題だ。

生理について啓発・発信をする団体「#みんなの生理」は、高校・短大・大学・大学院・専門学校などの在籍者で、過去1年間に生理を経験した人を対象にオンラインでアンケート調査を実施。

回答者671人のうち、20%が「金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある」と答えた。(2021年2月17日〜3月2日の結果。現在も継続中)

過去1年以内に「生理用品でないものを使った」人は27%。生理用品を交換する頻度・回数を減らしたという回答も37%にのぼった。

自由記述欄には、生理用品の経済的負担対する切実な声が寄せられている。

「生理用品が全体的に値段が少し高く、もう少し低くしてもらえたらその分を他の生活費に回せる。値段を低くしてほしい」

「月経困難症なので、定期的に産婦人科に行って薬を処方してもらっています。1回あたり、診療代と薬代合わせて約2000円を年3回支払うのは、母子家庭で学費を自分で払っている大学生には経済的に厳しいです」

アンケート結果を受け、同団体は「日本でも(生理の貧困についての)施策の必要性が明らかになりました」としている。


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(サムネイル:Getty image)