日本の次の首相は、いちご農家の息子?築地で学費を稼いだ…海外メディアが紹介した「菅義偉氏」ってこんな人

    自民党の新総裁に選出され、総理大臣になる菅義偉氏。海外メディアはどう紹介しているのでしょうか?「いちご農家の息子」「安倍氏の右腕」など色々な表現がありました。

    官房長官の菅義偉氏が9月14日、自民党の新総裁に選出されました。

    海外メディアは、次期首相となる菅氏について、どう報じているのでしょうか。

    これまでの政界での経歴などの他に、いわゆる「世襲政治家」ではないことや、若い頃の苦労のエピソードなどが、各メディアで取り上げられています。

    BBC「いちご農家の息子」、"Uncle Reiwa(令和おじさん)"

    イギリスの公共放送BBCは総裁選当日の9月14日、「いちご農家の息子、菅義偉氏、日本の首相へ」との見出しの英文記事で、菅氏の経歴を詳細に紹介しました。

    記事では、1987年に横浜市会議員に初当選し、その後、1996年に衆議院議員に当選、安倍政権下では大臣ポストを歴任したといった経歴を説明。

    新元号「令和」の発表も担当し、その際には「"Uncle Reiwa(令和おじさん)"という愛称もできた」としました。

    総裁選に向け公表された政策などから予測する新政権の展望については、新型コロナウイルス対策の他、安倍政権の経済政策アベノミクスの継続、改憲、日米・日中関係の重視などを挙げました。

    CNN「安倍氏の右腕」「選挙戦では3万戸を靴6足を履き潰すまで…」

    アメリカのテレビ局CNNの記事では、まず、日本はアメリカのような大統領制ではないといった仕組みの違いを説明し、総裁選で有効投票数の70%を得て菅氏が選出されたと報じました。

    菅氏については「安倍氏の右腕」と表現。「2012年に安倍氏が首相に就任してから、菅氏と安倍氏のキャリアは結びついている」としました。

    菅氏が横浜市議会の議員となった1987年の横浜市議選のエピソードを紹介。「菅氏はつながりや政治経験もなかったために、根気と努力で補った。自民党によると1日300戸、計3万戸を一軒一軒訪ねて歩き、選挙戦が終わるまでに靴を6足も履き潰した」と伝えました。

    ロイター通信「スポーツが上手な男の子」「築地市場で野菜運び、学費稼いだ」

    ロイター通信は、菅氏の出身地である秋田県湯沢市で、菅家の三軒隣で育ったという同年代の「ご近所さん」をインタビュー。菅氏の生い立ちや幼少期、政界に進むまでのエピソードを紹介しました。

    記事の見出しは「日本の次期首相が男の子だったころ:スポーツはよくできたが、演技は硬い表現」。野球などスポーツには長けていた一方で、中学校での劇では、表情は硬く、あまり演技はうまくなかったことなどが述べられています。

    日本では、安倍氏がそうであったように「世襲政治家」が多い中、「貧しくはないが裕福でもなかった」農家の息子として、大学の学費を稼ぐためにアルバイトし、築地市場で野菜を運んだことなどが紹介されています。

    Japan's next prime minister as a boy: good in sports, 'stiff' as actor https://t.co/92zlCQfyYQ

    @Reuters

    ロイター通信による、菅氏の人となりについての記事

    中央日報「あさってから、菅首相時代」「侮れない首相」

    韓国の新聞社、中央日報は14日、「あさってから、"菅首相"時代はじまる」という見出しで新総裁選出を報じました。

    2012年以来となる首相の交代で、菅氏が「歴代最長寿」の官房長官だったことなどを紹介しています。

    総裁選前日の13日に掲載された同社の東京特派員のコラムでは、菅氏を「侮れない首相」と表現。外遊などの経験が浅い一方で、各国の大使らと定期的に会うなど、外交人脈も培ってきたことを評価しました。

    日韓関係については「7年9カ月ぶりの日本の首相交替を控え韓日関係改善を期待する声が高い」と韓国の声を紹介する一方で、菅氏がこれまで韓国にほぼ言及していないことなどに触れ、「韓国はアウトオブ眼中」としました。

    サムネイル:時事通信 / Getty image(いちごの写真はイメージ写真)